■テキストを作るときの方法:スピード感が必要な理由

     

1 スピード感をもって書く必要

昨日まで講義のテキストを作っていました。内容を考えるのに時間がかかるのは確かですが、以前からのメモやノートがありますから、項目が決まれば、たいてい何かしら書けます。逆に、それなりのスピード感をもって書かないと、うまくいきません。

講義用のテキストなので、ある種の流れがある中に、時々の寄り道があったほうがいいことがあります。おそらく頭にあるものを使って、どんどん書いて行くことによって、流れや寄り道を含めて自然な感じになって、講義で使いやすくなるという気がするのです。

今回はアンケートの結果を見た後に、当初作っておいたものをすべて破棄して、新しく作り直すことになりました。同じ講義でも、受講者の違いで、全く様子が変わることがあります。今回は新しく作ったため、ミスタイプや表現の見直しに時間がかかりました。

     

2 「わかりやすい・効果的」なもの

コンテンツを作るのに、どういう方法が良いのかという問題があります。業務マニュアルの作成講座ですから、文書作成の方法を語る講義の一種だとも言えるでしょう。したがって、文書をどう記述し、まとめていくかということが大切なポイントになります。

今回アンケートで驚いたのは、わかりやすいマニュアル、効果的なマニュアルのつくり方が知りたいというお答えが圧倒的に多かったことでした。ここまで「わかりやすい」「効果的」という用語が並んだ結果は、めずらしいことだと思います。

どうやら作成する方が若くなっているのです。会社でも指導されたことがない、あるいは会社にいいマニュアルがないというケースが増えています。その結果、具体的な問題よりも、わかりにくいものや効果がないものを作りたくないということになるはずです。

     

3 何となく…の要望に応える

文書を作るときの方法は、人によって大きく違います。記述内容によっても、記述の仕方が変わってきます。マニュアルの場合、事典のように何かあったら調べようという詳細なものと、即戦力になる内容に絞ったコンパクトなものとに分かれてきました。

現在とくに必要とされるものは、即戦力になるためのガイドブックと言うべきものです。分量を絞って、簡潔にわかりやすく記述したものが求められています。このとき、使う側の人達がどういう風に使うのか…ということが問題になってくるはずです。

ユーザーがわかる場合、お聞きすることも可能です。今回の講義に先だってアンケートをお願いしたのも、そのためです。マニュアル作成の場合でも、聞き取りが出来るならお話を聞く必要があります。ただしご本人たちも、わかっていないことがあるのです。

調査の有無にかかわらず、何となくこんな感じということがあります。こんな場合、サンプルを作って検証するしかありません。一部でも実際の文書があれば、「何となく」に合致するかが判定しやすくなります。そのためにも早く作れることが重要になるのです。