■一冊を徹底的に読みこむプロの勉強法:黒田龍之介『ぼくたちの英語』から

      

1 英語教師へのメッセージ

英語を習いたい人向けの本はたくさんあります。ところが、教える側の人がどんな勉強をしたらよいのかについて、具体的に書いた本はあまりないようです。その種の本を何冊か見つけましたが、どんな本を読めばよいのかといったことまでは書かれていません。

しかし、そうした本を読んだことがあったのです。しばらく思い出せずにいましたが、あっけなく見つかりました。黒田龍之介『ぼくたちの英語』です。専門はロシア語のはずですが、5年間、大学で英語を教えていたとのこと。だんだん思い出してきました。

[この本は、中学校や高校で英語を教えている教師に向けられた、一つのメッセージである]と扉にあります。中学や高校の英語教師はどんなことを勉強しておくべきなのでしょうか。日本人が日本語を勉強するときに、参考になるかもしれないと思いました。

       

2 石黒昭博『総合英語フォレスト』を通読すべし

文法というの[まとまった体系である]から、[体系として英文法をきちんと捉えているだろうか。まずは英語教師自身が確認しなければならない]ということになります。ではどうすべきか、[そのためには、文法書をまるまる一冊読み通すといい]のです(p.94)。

このときの一冊として、石黒昭博『総合英語フォレスト』をあげています。以前、知人の英語教師に、おすすめの一冊を聞いたところ、この本を即座にあげていました。定番の本のようです。しかし[隅々まですべて読み通した人は少ない](p.95)のは当然でしょう。

[『フォレスト』では、はじめに簡単な構文論があり、文の種類や文型などの説明がある。英語は文型と語順が大切なので、まずはここから押さえてもらいたいというのは、当然だろう](p.95)とあります。何を確認すべきか、一番の基本がわかるでしょう。

      

3 一冊を徹底的に読みこむ

通読後も[ときどきリファレンスすること]が必要です。(1)石黒昭博『総合英語フォレスト』、(2)江川泰一郎『英文法解説』について、[まず『フォレスト』を見て、詳しく調べたいときには(2)『英文法解説』](p.185)が[王道である](p.186)とのこと。

▼「一冊を徹底的に」という方法は、受験勉強などで奨励されるが、実はプロ向きの勉強方法である。つまり、こういう高度な芸当はプロを目指している人にしかできない。一般の受験生にはむしろ酷であり、結局は挫折して敗北感が残るだけである。 p.186

基礎を身につけるには、一冊を徹底的にというのは王道でしょう。英語の教師は、これをきちんとやってプロになるべきだということです。英語に限りません。各分野に定番の基本書がありますから、それらを徹底して読むことが必要になるでしょう。

経営学の定番の教科書がないという話も聞きます。日本語文法の場合も、定番の基本書はありません。英語教師が学ぶべき一冊がどんなものか、確認のために通読するしかありません。黒田がよいという本ですから、間違いないはずです。私の宿題になりました。

    

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