1 講座のレベル調整
少し前から若手のリーダー向け講座について、担当者たちと、あれこれ議論しながら調整することが多くなっています。コロナが広がる数年前から、若手のリーダー向けを想定していた講座に、かなり高いレベルの人達が参加くださるようになっていました。
もはや入門講座レベルでは物足りないだろうということになったのです。当初「初級」の入門講座だったものが、いくつかの講座で「中級」レベルに変更になってきました。受講者の様子が、その時々で変わってくるのです。これは興味深い現象だと思います。
先日、マニュアル作成講座でも、業務マニュアル講座と操作マニュアル講座では、レベルが違うという話をしたら、興味深いという反応がありました。業務マニュアル作成の講座の方が中級で、操作マニュアル作成の講座が初級です。それなりの理由はあります。
2 業務の記述は簡単ではない
何度か、このお話をしたことがありますが、業務には正解というものがありません。一方、操作の場合、正しい方法が決まっています。こうすれば、思ったとおりに動くというルールがあって、それを説明するのが操作マニュアルだということになるでしょう。
ところが業務の場合、こうした正しいとされるルールが明確になっていません。現状で、これがいいだろうというルールと仕組みを決めたとしても、それをもっと良いものに変えていくことが必要になります。つねに改善や改革をしていかなくてはならないのです。
したがって、業務の構築は簡単ではありません。ある程度、業務の仕組みが決まっていたとしても、その業務の仕組みを記述するのは簡単ではないのです。簡単に記述できるものでもないので、業務マニュアルのない職場が、かなりの割合で存在しています。
3 OJT優先の傾向
いまや、業務マニュアルに従って、仕事をしたことなどないというリーダーが増えてきているのです。講座を始めたころは、入門講座でしたが、それが中級になったのは、ある意味で当然だったのですが、業況が変わってきました。レベルの調整が難しいところです。
業務マニュアルがどういうものであるのか、よくわからないけれども、しかし、そういうものが存在することはわかっています。そして、マニュアルが必要になってきたのです。作成が難しいということを、実感として理解することは簡単ではないでしょう。
10月3日に実施するOJT用のマニュアルを作成する講座でも、事前アンケートをみると、業務マニュアルを作成したことがない人がかなりいます。業務マニュアルを飛び越えて、OJTを実施するということです。これが現在の職場の状況を反映していると思います。
コロナで業務の状況も、職場のスタッフも大きな変化があったでしょう。こういうときには、OJTで業務の実践が出来るようにしてしまって、それを洗練させ、定着していくという方がいいのかもしれません。いま複数モデルを想定して、準備しているところです。