■OJTマニュアルの作成:「新規所属者を最も早く戦力化するためのマニュアル作成と指導のノウハウ」

     

1 名前のないマニュアル

OJT用のマニュアルの作成講座のテキストを作っています。5月12日の研修用です。他の講座とちょっと違うのは、OJTマニュアルという用語がない点だろうと思います。その結果、「何それ?」という反応が実際にあるのです。困ったことだと思います。

ここ数年で、ずいぶんそのあたりの理解が広がってきていることも確かです。実際に存在していますので、そのプログラムの冊子が写真になって公開されたこともありました。あるいは、プログラムの概要について解説している本も出版されてきています。

OJTや教育用のプログラムを作り、マニュアルとして利用しているということに関心を持つ人が増えてきたことは確かです。とはいえ、まだ一般化された用語になっていませんから、まず標準的なサンプルを提示して、それを解説していくということを行っています。

      

2 指導内容と効果の検証

もう少し原理的に考えてみましょう。リーダーになった人が、どんな指導をしているのか、組織は把握しているでしょうか。あるいは、どんな方針で、どんな指導をすれば効果的なのか、組織が把握していると言えるのか、このあたり問題があるだろうと思います。

どんな指導をしたのかは、指導のプログラムが残っていれば、確認できるはずです。さらに、どんな指導が効果的か、プログラムを見て、その結果を検証すれば、ある程度、どんな方法が効果を上げる指導なのか、わかってくるでしょう。マニュアル化が必要です。

マニュアル化するということは、指導の概要を記述しておくということになります。記録に残した上で、結果を検証し、それを参考に、新たなプログラムを作成していくのが効果的な方法でしょう。これをやるのは、組織にとっても必要なことだと思うのです。

     

3 「新規所属者を最も早く戦力化するためのマニュアル作成と指導のノウハウ」

もう一つ大切なことは、リーダー養成に関することでしょう。リーダーがいないとか、リーダーが力不足だというお話も聞きます。実際、そういうこともあるのでしょう。しかし要請をしない限り、リーダーが突然生まれるとは思いません。ドラッカーは言います。

▼花形セールスマンの生産性をさらに向上させるため最高の方法は、セールス大会の場で成功の秘訣を語らせることである。外科医の仕事を向上させるための最善の道は、学会で自分の仕事について語らせることである。 『プロフェッショナルの条件』

リーダーになるような人に、簡単に指導できる人などそんなにいるはずありません。やはり、リーダーになる人が自分で学ぶ必要があります。そうした実力者の力を伸ばすためにも、自分のよいと思う学習プログラムを作ることは役に立つはずです。

私たちは、いままで何年も同じ会社にいて、その会社の先輩たちが丁寧に長期間、指導をして、それによって仕事を覚えていくというイメージがありました。しかし、実際には即戦力が必要です。なかなか簡単にそれらが得られません。その対策が必要です。

趣旨を理解した担当者が講座名を考えてくださいました。「新規所属者を最も早く戦力化するためのマニュアル作成と指導のノウハウ」というものです。もう少し広い概念の話もしますが、やはり専門家に任せるものだと思いました。これなら伝わりそうです。

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