■問題解決のシンプルな方法:一番簡単で効果的(?)

     

1 西堀栄三郎推奨の方法をシンプル化

実務で活躍している人たちとお話しているときに、一番簡単で効果的な問題解決の方法というのは、どういうものかと聞かれたことがあります。新型コロナの感染が拡がるよりも何年か前のことです。しかし「一番」というのは、そう簡単に決められません。

たまたま西堀栄三郎の話が出たり、ビジネスで成功した人の話が出たときのことでした。そこに共通の発想があるという話をしていたはずです。それが妙な展開になったのでしょう。西堀はデータをグラフ化して、類似のものを探す方法を推奨していました。

西堀の話は、何度か書いています。たとえば最近のものだと、【西堀栄三郎から学ぶために:『ものづくり道』の「現場にあるアイデア」】をご覧ください。以前に話したのは、これよりももっと簡単にした方法です。グラフ化をする必要がありません。

      

2 問題分析の前提となる3ステップ

原因と結果を探すだけです。原因と結果の関連性をきっちり証明するのは、厳密に言うと、相当困難だろうと思います。しかし、目的は問題の解決です。問題が解決したら、正しかったのだと判断すればよいでしょう。簡単な方法は、このくらいアバウトです。

まず第一にすることは、問題が何かを明確にすること。これもありふれたことでしょう。難しいことをする必要はありません。シンプルな一文にできたら、それで問題が明確になったことになります。次にすべきことは、思い当たる原因を上げていくことです。

問題が起きたのは、これが原因でないかということを列記していきます。これが第2のステップです。この列記したものに対して、原因を解消できそうなものを書いていくことが第3のステップになります。ここまでが、問題の分析の前提段階です。

     

3 一番簡単で効果的な問題解決の方法

ここまでで、「問題はこういうこと、こうなった原因で思い当たるのはこれら、それぞれの原因を解消する方法はおそらく、これだ、あれだ」…という記録が出来上がります。これを、どんな順番でチェックしていけばよいでしょうか。これも簡単な話です。

まず、原因の解消につながると思わせるものを、大雑把に3つに分けます。楽に確認できるもの、少し面倒なもの、相当手間のかかりそうなものに分けるのです。楽に確認できるものは、さっさと確認してしまいます。ここで解決してしまったら、ラッキーです。

もし解決しなかったら、可能性を予測して検証の容易さとの兼ね合いで、チェックの順番を決めていきます。たったこれだけなのです。いつも解決するわけではありませんが、ある程度わかっている領域についての問題なら、この程度でも効果があります。

話を聞いた人たちは、楽な方法だと言い、たぶん似た方法を採っていたと思うとのことでした。意識的に仕組みにしてしまうと、楽ですね…とのこと。だからその場では、ひとまずこれが一番簡単で効果的な問題解決の方法だということになりました。