■不可欠なOJT用のマニュアル:マネジメントとの関係

     

1 OJT用のマニュアルへの注目

OJTにマニュアルなどあるのか…と思っている人は、たくさんいらっしゃいます。実際に見た方は少数かもしれません。あるかないかというなら、「ある」のです。そのマニュアルを使ってトレーニングをしている組織があります。とはいえまだ少数派です。

しかし少しずつ認識が広がってきているように思います。コロナ前に講座がつくられましたが、最初はなかなか人が集まりませんでした。少し早すぎたのかもしれません。最近はコロナの問題があるにもかかわらず、受講される方がたくさんいらっしゃいます。

組織を支えるのは人ですから、その人たちに力を発揮していただかなくてはなりません。どうすれば、実力をつけてもらえるのか、組織側が本気で考える必要があります。人を育てるノウハウは重要ですから、きちんと記述しておく必要があるのです。

     

2 『チェンジ・リーダーの条件』の目的

『チェンジ・リーダーの条件』の「はじめに」でドラッカーは言います。[今日いかに博識であっても、すでにうまく行っていることをさらにうまく行うとともに、新しいことを学び行うことを続けていかない限り、数年後には陳腐化した存在となる]。

2000年の夏と記述していますから、このときドラッカーは90歳を超えていました。この本の目的として[マネジメントのおもな領域について知ってもらう]というだけでなく、これに加えて[今後とも学び続ける意思を持ってもらうこと]をあげています。

[これからは、仕事と人生の双方において、学ぶことを習慣として続けてもらわなければならない]からです。組織にとって、仕事の仕組みを常に更新するとともに、人材育成のノウハウを蓄積していくことが重要なマネジメントの領域になります。

     

3 マネジメントそのもの

たとえば一番簡単に思える操作を紙のマニュアルで教えることも、不可能ではないでしょう。しかし研修をやって実践したほうが確実ですし、その方が早いはずです。どちらが効果的であるかを考える必要があります。当然、二者択一ではありません。

業務や操作について基本を記述しておくことは不可欠なことです。したがってマニュアルは必要です。記述の仕方は別として必要なことは間違いありません。その一方で、実践が不可欠な分野もあるはずです。必要な領域を決め、ポイントを決める必要があります。

OJTにおいて大切なのは、目的を明確にすることです。どんな目的で行うのかを考えておかなくてはなりません。それだけではなくて、その目的のために、そのOJTで具体的に何をするのか、どこまで習得してもらうのかが大切になります。

目的を明確にすること、目標を具体的に決めること、そのためにどうするのが効果的かを考えることがポイントです。まさにマネジメントそのものといえます。『チェンジ・リーダーの条件』の「はしがき」でドラッカーの言っていることと重なってくるのです。

     

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