■企画を立てるプロがしてきた基礎の勉強

    

1 「係り結び」を知らないリーダー

最近、驚いたことは、業界でも有名なリーダーの方が、「係り結び」をご存じなかったことです。この世代の人が知らないというのは、考えてもみないことでした。もはや古文を読むとは思えませんでしたが、関心領域が違うと、こんなことが生じるのでしょうか。

同席していた別の業界のリーダー格の方が、「係り結びとは何ですか、知らないですよ」とおっしゃるのです。見事なほど、痕跡が消えています。学校で習っていないとは思えないのですが、興味のない領域については、きれいに忘れてしまうようです。

ともに業界の指導者ですし、最先端で活躍する専門家を擁する集団のトップにいます。もはやこのレベルの人になると、こんなデコボコが生じてしまうのでしょうか。別の企画について話しているときの出来事でしたが、知識の前提が違ったという気がしました。

      

2 関心領域の継続学習

業界のトップレベルの人ですから癖があるでしょう。詳細を知らなくても、かなり正しい判断をしてきた人達です。各人が基礎としているものに違いがあるのは言うまでもありません。ただお二人とも自分の仕事と関連のある分野の知識や経験則を基礎にしています。

お話をお聞きしていると、基礎になるものが形成されたのは、若い頃に勉強したことの中で、今も継続して使っているものです。自分で勉強した分野でないと身につかないということでした。自分の関心領域を継続学習して、考える基礎にしてきたということです。

二人がともに、これからは日本語でしょうとおっしゃっていました。その際、本気で訓練するのは、自分で勉強したいと思う人に限るというお話です。自分で必要だと思って取り組む人でないと身につかないというのは、これからも原則になるでしょう。

    

3 選択と集中

二人が若い頃というのは、どうやら40代くらいまでを言っているようでした。多少面倒なことでも、本気で勉強する気がある人ということのようです。もう一度、試験勉強するくらいの元気がありますかという感じでしょう。それなら大丈夫だということです。

こうやって勉強して何度か仕事で反復して使っていけば、自然に何が使えるかわかるようになる、使えるものだけを自分のものにしていけばよい、ただし使えるものは少ない-こういうお話でした。こうやって自分の基礎を身につけてきたようです。

二人とも、基礎がそろってきたころには、もう企画を立てて成功していたことになります。基礎が出来たかどうかは、成功したかどうかで見るべきなのかもしれません。30年、40年と成功してきた、ともに70歳を超えた現役のトップランナーです。

今でもよく勉強していらっしゃいます。わがままというくらい、自分の関心領域に集中していて、関心のないことは、あきれるくらい忘れていました。選択と集中ということを思い返します。ある種の感覚を得るには、自由自在の領域が必要なのだと思いました。

      

カテゴリー: 方法 パーマリンク