■マネジメントの基本再論:強い組織の条件

      

1 マネジメントとは

前回の話は、どうやら詰め込みすぎだったようです。マネジメントの勉強会をすることになりました。直接話しながら、もう一度わからないところがどこなのか、どう伝えればよいのか、本人に聞くしかありません。いっぺんに語ろうと思ったのが間違いでした。

「マネジメント」というのは、【組織あるいは個人が、より成果をあげるための考え方と行動の指針】です。ここにいう「成果」とは【良い結果】のこと。より良い結果を出すために、どう考え、どう行動したらよいかを教えてくれるのがマネジメントといえます。

良い結果という場合、「良い悪い」の評価が問題です。どうやって決めるかといえば、個人の良心に従ってということになります。あるいは組織の社会的な意義を考えてということになるでしょう。価値評価が入りますから、どうしても主観的になります。

     

2 マネジメントの目的

組織の目的・ミッションを考えるときに、主観的になるのは、どうありたいかという価値観が入るからでした。結局のところ、こういう組織があってよかった、あなたがいてくれてよかったと言われるようにすることがマネジメントの目的だと言えます。

こうした目的・ミッションは、気持ちはあっても、簡潔な形式にまとめるのは簡単ではありません。一番の中核となるものは何かを考え続けることになります。このとき簡潔な形式で示されたミッションが、行動の指針になるかどうか、これが適切さの判断基準です。

ドラッカーが『経営者に贈る5つの質問』で例示した救急病棟のミッションはこの点で優れたものでした。「患者の安心」をミッションとするため、[運び込まれた患者を1分以内に診る]という行動の指針がでてきます。早さが安心につながるということです。

    

3 金銭目標以外のもの

目標の設定について、特別考えなくてもわかるという人もいるでしょう。多くの場合、売上の目標や利益の目標が設定されます。定量化されていますし、客観的な評価基準になるものです。逆に、なぜ売上や利益が目標になるかと言えば、客観的な指標だからです。

客観的な指標の条件として、3つを上げていました。(1)測定方法、(2)測定尺度、(3)評価基準が必要となります。この点、売上や利益は条件に合っているのです。なかなかこうした便利な指標はありませんから、どうしても金銭の尺度を使うことになります。

さきの「患者の安心」というミッションから、[運び込まれた患者を1分以内に診る]という指針が出てきていました。1分という時間は容易に測れます。時間という尺度なら客観的です。安心のためには1分以内が良いという評価基準が示されたのでしょう。

病院の場合、一般の会社とは違います。しかし会社でも、金銭目標以外のものを見いだしたいものです。そのほうが組織も活性化することでしょう。簡単なことではありませんが、客観的で適切な基準を示せる組織は、強い組織だと言ってよさそうです。