■役に立たない営業マニュアルの悲劇

     

1 現場から離れているマネジャー

業界トップともいえる会社の営業マニュアルについて、相談がありました。困ったことです。誰が作ったのか、慎重に聞くことから始めました。あまりにひどくて、率直な話をいきなりしたら、問題になると思ったからです。以下、少しデフォルメしています。

作ったのはマネジャーとのこと、やはり…と思いました。営業から離れていて、最前線でお客様とお話していないのです。そういう人が、最前線で働くスタッフからよく話を聞かずに、こうしてくださいと、自分の経験をふりかえって作成すると、こうなります。

たぶん自分でも、こんな非効率なやり方はしてなかったはずなのです。頭で考えて、こうしてもらいたいと、あれこれ思いつくままに項目を作って、これを30分以内で済ませてくださいなどと、言い出したのでした。自分はこうしてきたと主張しているようです。

最近はコロナの影響などが、様々な形で出てきていますから、現場を離れてしまうと、現実の状況からずれた話になりがちです。今こそ、最前線のスタッフに教えてもらうチャンスなのですが、マネジャーが張り切って暴走して、悲劇が起こることがあります。

      

2 人が辞めていく職場

マニュアルを見て、これは全くお話にならないと分かったのですが、本当の問題はこれではなかったのです。最近、仕事を辞める人が増えてきて、困っているということでした。まだ仕事に慣れない人に、同じマニュアルのままで問題ないかということだったのです。

マネジャーの下にいるリーダーが不安視していました。しかし、このマニュアルを否定することは事実上、当該組織では無理でしょう。そうなると、もう一つの簡易なマニュアルを作って、そちらをメインにすえたほうが良いということになります。

今のマニュアルは、マネジャーの希望に合わせたこだわり文書ですから、これと矛盾しないないようにして、新しいバイパスを作るしかなさそうです。こだわりの項目を、考えもなしに並べたため、流れの悪いマニュアルになっています。これはもう直せません。

      

3 マニュアルの失敗

話を聞くと、業績は悪くなくて、業界での地位はむしろ高くなっています。待遇も聞く限りけして悪くはありません。それなら社員はやめないはずです。リーダーは気がついていました。無理を言っても通りませんし、無駄なことをさせられたら、嫌でしょう。

最低限のルールだけ示してもらえば、各人が工夫したはずですが、なぜかマネジャーができの悪いマニュアルを作って、それにこだわっているのです。一定時間内にすべての項目を実践しなくてはなりません。それは無理なことです。楽しくないでしょう。

効果のないことをさせられ、無駄だと思っていところに、この営業部門の場合、成績重視の評価ですから、何かと言えば数字を問題にするとのこと。やめる人がいても不思議ではありません。トータルで勝っている組織でも、ときどき、こういうことが起こるのです。

    

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