■文章チェックの意義とアプローチ

     

1 AI化によるビジネスの変化

文章チェック講座を今月19日に行います。文章のチェックが大切だと考える人たちが増えてきました。今後も、この流れは変わらないだろうと思います。ビジネスでの情報の流れは文書によってなされていましたから、もともと重要性は高かったのです。

文書がデジタル化されるようになって、やり取りがスピード化され、文書量が拡大していました。今度は、単純な文書作成はAIによってなされるようになるでしょう。そうなると、文章をチェックする人に高い水準が要求されるようになってきます。

かつて肉体労働といわれた作業が、機械にとってかわられるようになってきました。人が不要になったわけではありません。機械をコントロールする人が必要になりますし、それ以上に機械を作る人が不可欠になりました。今度は、文書が対象になります。

      

2 分析的に読むことが基礎

文章を書くことと読むことは、両輪といってよいものです。しかしどちらが先行するかと言えば、読むことになります。読めなくては書けるようになりません。文章を読むことを通じて、書き方を学ぶということです。読み方が問われるということになります。

文章を分析することが必要です。どうすれば分析できるのか考えてみれば、いくつかのことが思いつくことでしょう。例えば、正確な意味が取れなくては、分析などできません。では、どうすれば正確な意味が取れるのでしょうか。方法が必要です。

日本語の文章の仕組みがどうなっていて、その仕組みから考えて、ここの意味は、こうなるという風に文章を分析的に読むことは自然な読みではありません。訓練の必要があります。意識して分析的に読まない限り、なかなか水準が上がらないということです。

     

3 表現・形式から推定するアプローチ

日本語では、どういう風に言葉が組み立てられているのか、もう一度考える必要があります。こうしたアプローチが必要になるのは、当然のことながら、内容が問題だからです。内容を正確に読むことによって、その価値を適切に評価することが求められます。

ビジネスなら内容勝負です。このとき文章表現、文章形式から内容を推定していくアプローチが使えます。こうした表現・形式は、どんな意識をもって書かれたのか、読めばピンと来るようにすることが、このアプローチの狙いと言ってよいでしょう。

ピンときたことがヒントになって、そのつもりで読んでみると、ちょっと待てよという内容本位のことが見えてくることがあるということです。どうもおかしい、何かが足らないといった感覚があれば、おかしいところ、足らないところが見つけやすくなるでしょう。

文章を書いた人の意識を分析することによって、その意図が見えてくる、それが王道を行くものであるならば、期待しながら読んでいくことが出来ます。あるいは修正点が見つけやすくなるでしょう。こうしたことが出来るリーダーが必要になるということです。