■マネジメントのエッセンス:示唆に富む「はじめて読むドラッカー」シリーズの題名

     

1 「はじめて読むドラッカー」シリーズ

ずいぶん前に教え子たちに話したことなので忘れていたのですが、ふと思い出して専門職の人に、こんな話をしました。ドラッカーの著書からエッセンスを集めた「はじめて読むドラッカー」シリーズがあります。上田惇生がドラッカーと相談して編集したものです。

内容についての細かい話ではありません。題名だけでも、すごいでしょうという話をしたのです。『プロフェッショナルの条件』、『チェンジリーダーの条件』、『テクノロジストの条件』と並びます。この題名だけ見ても、われわれに示唆を与えるでしょう。

今後はプロフェッショナルの時代になるということ、プロフェッショナルとは、変革を起こすリーダーであるか、変革を起こす専門家であると考えることができます。CEOだけでなくて、CIOなどの専門家が会社の運命を変えるということです。

     

2 自分を変革できることが条件

教え子たちには、何か自分の専門をもって、自分がこうなりたい姿を明確にして、そこにどうやったら到達できるのか、考え続けていかないといけないよね、といった話をしたのでした。「誰に・何を・どのように」というときの、「誰に」は「自分」です。

だからシリーズ最初の本が『プロフェッショナルの条件』であり、この本は「自己実現編」となっています。自分を変革できる人ならば、周囲を巻き込んで変革を起こすことができるということです。こんな大枠だけの話を、何年か前にしたのでした。

『経営者の条件』の冒頭でドラッカーは、自分をマネジメントして、自分を変えていける人でなくてはマネジメントなどできない旨を述べていました。『プロフェッショナルの条件』には、『経営者の条件』のすべての章のエッセンスが入っているのです。

     

3 コンセプト+ストーリー

こうあってほしいという姿を示して、そこに到達するのにどのようにしたらよいのかを考えることは、マネジメントの中核的なものでしょう。これが出来るリーダーならば、必要とされる人に対して、進むべき方向を示し、方法を伝えることが出来るはずです。

進むべき方向がコンセプトであり、達成する方法がストーリーということになるでしょう。そしてコンセプトとストーリーを合わせたものが戦略です。私はそう考えて、話していました。これをビジネスリーダーに話したのです。さて、どう伝わったでしょうか。

プロフェッショナルな人なら、コンセプトが作れるはずですし、ストーリーも描けるでしょう。したがってプロフェッショナルであるための条件とは、コンセプトとストーリーを示せることだということになります。シンプルモデルで話すとこうなりました。

リーダーはビジネス全般についてのモデルを示せる人、テクノロジストは自分の分野についての成功モデルを示せる人でしょう。モデルには、コンセプト+ストーリーが不可欠です。専門職の知人は、こんな話で納得したかどうか。あとで確認してみます。

     

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