■ビジネス文を書くときに:マネジメントのエッセンスと記述の練習
1 マネジメントの思考が不可欠
ビジネス文を書くときに、何を書いたらよいのかわからない、どう書いたらよいのかわからない…という人がいます。何を書くのかが決まらなくては、どうにもなりません。まず、頭の中の思考を整理する必要があります。それにはマネジメントの思考が必要です。
法律家が法的な思考(リーガルマインド)を持つことが必要なように、ビジネス文を書くビジネス人は、マネジメントの発想に基づいて文章を書くことになります。ただ困るのは、マネジメントと言っても、なんだか漠然としていて、はっきりしないところです。
マネジメントのエッセンスとなるのは、どんなものでしょうか。大雑把に言えば、現状を「あるべき姿」に変えるものです。あるべき姿を作って、それを実現させる手段を考え、実践していくときに、役立つものがマネジメントのエッセンスということになります。
2 マネジメントのエッセンス
マネジメントの本を読んでも、なかなかそれだけでは、マネジメントの発想が身につかないかもしれません。小さな組織でもなんでも、作って運営してみることが役に立ちます。さらに、成功を重ねているビジネスの実務家・オーナーから話を聞くことが大切です。
マネジメントのエッセンスというのは、そんなにたくさんあるわけではありません。少なくとも、私がお話を聞いてきた先達には、その分野で知る人ぞ知る存在の人もいましたが、教科書的なマネジメントの本を、ズレていると言って、評価していませんでした。
実績をあげた人達の発言から感じたことは、複雑になりすぎると、使えなくなるという発想です。自分の頭で考える領域が一定以上ない理論は、かえってリスクがあるという考えでいました。当然だろうと思います。考え続けると、思考が磨かれるということです。
3 定型フォーマットで書けることが大切
こうしたマネジメントのエッセンスを、それぞれの実務家は身につけています。自分のものにしているということです。ただし、面白いことに、次々成功している人の中には、ビジネス文書にあたるものを、書きたがらない人もいます。けして例外ではありません。
マネジメントからのアプローチとは、実践して初めて意味がでてきます。文書を書いても、それだけでは役に立たないというのは、その通りです。しかしオーナーが実践したあとを引き継げなくて、お手上げになったケースもあります。記述は必須でしょう。
ビジネス人は、思考を整理して、具体的な実行を発想できなくては困ります。その際、本人が書けなかったら、それを記録する人をそばに置くことが不可欠です。しかし、こうした特別な人は例外でしょう。自分でビジネス文が書けないと、困ったことになります。
どうすればよいのか、それは案外簡単です。決まったフォーマットで書くのに慣れれば、十分です。一つのフォーマットで書けるようになれば、別の形式のものでも書けます。さらっと書けることが大切です。一定レベルのものならば、名文である必要はありません。
