■操作マニュアルを早く作るための王道:「誰に・何を・どのように」
1 「誰に・何を・どのように」が基礎
操作マニュアル作成の講座が20日にあります。参加者の方々に対して、事前のアンケートを実施していただいたので、それに基づいてテキストを作っているところです。操作マニュアルに独自な領域もありますが、基本となるのは文書作成の共通の部分になります。
文書作成の基礎というのは、「誰に・何を・どのように」書いたらよいのかということです。しかし実のところ、これは文書作成の基礎というよりも、何かを表現するときの基礎というべきものでしょう。マーケティングの基礎にもなっています。
つぎつぎヒットを飛ばしたマーケティングのプロの先生が、直接教えてくれた話を以前書いたことがありました。「■Who/What/How:誰に・何を・どのように…のシンプルで強力な戦略手法」です。文書作成の場合も、この考えが基礎になっています。
2 考える順番が大切
操作マニュアルに関しては、この基礎だけではやはり不安があるでしょう。どのように記述したらよいのかが気になるはずです。アンケートでも、この点について学びたいという方が今年もいらっしゃいますし、昨年も、同じようにいらっしゃいました。
結果として、いい操作マニュアルにするには、記述が不可欠ですから、当然のことです。しかし順番が大切になります。まず最初に「誰に」を考えて、それをモデル化することが必要です。これをきちんと詰めないと、その先がどんどんズレてしまいます。
「誰に」のモデルに基づいて、その次の「何を」を考えないといけません。このとき問題になるのは、「必要十分な内容とは、どんなものか」ということです。コンパクトなものの優位性は電子化された場合でも、変わりません。簡潔であることが重要です。
3 ピタッと行くまでの苦労
こうした思考過程を明確な形にして、残しておいたほうがよいでしょう。記述して確認できるようにしておくと役に立ちます。「誰に」をもとにして、「何を」の内容を決めるのは、マーケティングの発想そのものですから、簡単には行かないことです。
苦労して「こういう人たち」のモデルを作り、それならば「こういう内容ならご満足いただけるだろう」という予測をもとに作っていきます。それがピタッと当たれば、次を作る場合にも、大きなヒントになるにちがいありません。しかしピタッと当たればです。
やはりどこかズレます。記録しておいたものが、思ったとおりの効果をあげていなかったら、どこかを直さないといけません。こうした検証が不可欠です。ピタっと行くのは、いかに大変なことか、痛感することになります。しかしだんだん焦点が合ってくるのです。
「誰に・何を・どのように」を意識して、何度も苦労しながらだんだんわかってくると、操作マニュアルが一気に作れるようになります。テクニック的なものは、もちろん大切ですが、その前の基礎がピタッと合っているからこそ、いいモノが早く出来るのです。