■文書の標準化について:文章チェック講座を終えて

      

1 リーダーたちの3つの受講目的

19日に文章チェック講座を行ってきました。この時期におおぜいの方がご参加くださって、感謝しています。リーダーの人達がどうやって文章チェックをしていけばよいのか、何か参考になることがあったなら幸いです。講義をすると、毎回勉強になります。

最初に受講の目的を確認させていただきました。今回も従来と変わりません。3つの目的でした。(1)リーダー自らの実力アップのため、(2)標準的なチェック方法はどんなものかの確認のため、(3)部下たちの実力アップにつながるチェック方法の確認のため…です。

文章チェックをする人が一番実力をつけます。このとき当然ながら、リーダーが一番実力があることが前提です。自らの実力アップを意識するのは自然なことでしょう。さらに成果を上げる自分なりの文章チェックの方法を確立する必要があります。

       

2 文書の「方言」と標準化

実力をつけるためには、まず文書の形式的な標準化が必要です。各人がばらばらの形式の文書を作ってきたら、チェックをするのは困難でしょう。書く方も苦労します。その組織、その部門での文書スタイルは、ある程度決まっていなくてはなりません。

今回、他社とのやり取りの多いお仕事をしている方から、会社ごとに文書の形式が違っていて、コミュニケーションに支障が出ているとの問題点が示されました。文書の標準化が不可欠であることがわかります。ここでの標準化は、標準的な標準化です。

この問題を指摘くださったリーダーの人は、各社の文書に「方言」があってという表現をしていました。これまで「標準化がなされていない」という言い方をしていましたが、まさに「方言」というべきものでしょう。うまい表現があるものだと思いました。

     

3 起承転結の否定

ビジネス文書で「起承転結」の形式を使うことは、もはや標準的とは言えません。しかし、いまだに起承転結で書くようにという経営層の人がいるとの話がありました。実態は、その通りです。これは徐々に変わってきているというしかありません。

経営陣が起承転結で書くようにという組織で、リーダーがそれを否定するのは簡単なことではありません。実際のところ、ケースごとに効果的だという形式を決めていくしかないでしょう。このとき案出される形式は、おそらく起承転結の形式にはなりません。

「起承転結」というのは、「結論」が後ろに置かれている形式です。最初に結論がわかる方が効率的な形式でしょう。これが標準的なスタイルの基礎になっていくはずです。こうした標準化の形成とともに、文章チェックの方法も標準化されていくということです。

形式が各社ごとに違いがあるのは、当然のことですが、その違いによってコミュニケーションに支障が出てくるようでは困ります。共通基盤ともいうべきスタイルがあるということです。文書の標準化と文章チェックというのは、車の両輪と言うべきものでしょう。

      

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