■業務マニュアルを作成するために:必要となる新たな入門用プログラム

      

1 コロナ以前と様変わりした受講者

新型コロナのまん延によって、ずいぶんビジネスリーダー向けの講座参加者に変化がありました。一番大きな変化があったのは、業務マニュアル講座です。コロナ前には、なぜかベテランの方がたくさんいらっしゃって、驚くべき高水準を要求されました。

10年以上前にスタートしたときには、入門講座がよいということでしたので、講座名も「業務マニュアル入門講座」といったものだったのです。当然のように初級講座という認定でした。5年すぎた頃に、講座名から「入門」が外れたように記憶しています。

講座のレベルも中級講座となりました。しかしコロナ前の2018年から19年頃には、中級以上のベテランがかなり参加くださっていましたから、あれは上級と言ってよかったのではないかと思います。ところが今は、若手中心の入門講座に戻りつつあるようです。

     

2 若手の抜擢と経営側の不安

直接相談を受けるケースを見ても、会社のトップの方がご自分でマニュアルを作りながら、ご相談くださることもありますが、それよりも若手抜擢の話になりがちです。若い優秀な人がいたら、ひとまずリーダーにしてみるという組織がかなり出てきています。

そうして抜擢された方の中には、業務マニュアルのことなど、よくわからないという人が多いことでしょう。業務マニュアルを作った経験があるという人でも、経営にかかわることではなくて、新人向けの業務の手順を書いただけということになりがちです。

若手の抜擢がかなりの会社で見られますが、経営にかかわることを若手に丸投げもできず、困っている様子が見られます。数名の経営側の人とのお話にすぎませんので、雰囲気だけだと思っていただきたいのですが、ひと言で言えば「参ったよ!」です。

     

3 業務の「見える化」からスタート

古い業務マニュアルが役に立たなくなれば、それを使うわけにはいかないでしょう。しかし、いきなり成果の上がる良質の業務マニュアルを新規に作ることなどできない、ということです。まずは基本を知り、実際にマニュアルを作ってみるしかないでしょう。

受講者の中には、会社から行ってきてと言われたという人が、毎回、数名いらっしゃいます。コロナ以降、もはや参加される方々の中心は、初心者レベルと言ってもおかしくありません。そんなことで、講座がまた初期の頃の「入門講座」に戻ることになります。

業務内容はここ数年で、ずいぶん変わってきました。業務形態の変化を反映させるのは当然のことです。同時に業務マニュアルを初めて作る人向けに、あまりぐらつかない作り方を確立できたらと思います。ささやかな数ですが、個別指導では成功例があるのです。

まずは作成領域を選定して、次にその領域で、現在どのように業務を行っているのかを記述することになります。いわゆる業務の「見える化」からスタートするしかありません。叩き台があれば、それを改善していくことは可能です。基本はこういうことになります。

     

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