■マネジメントの発想:あるべき姿の実現のために

    

1 仕組みの変更を促した危機意識

マネジメントという言葉には、管理のニュアンスがあって、どうも評判が良くないというお話を聞きました。そうかもしれません。若者がマネジメントという言葉を使って、あれこれ言うと反発されそうな雰囲気があります。言い方を変えればいいだけのことです。

業務の仕組みを少し変えてほしいと言えばよいと、そんな話をしました。実際に、その時の提案は通っています。業務の仕組みを考えるのは、現状の仕組みに不合理な点があるからです。どうすればよいのか、それを考える視点が必要だということになります。

従来通りの仕組みで行くと、どう考えても限界がやってくる、つまりは赤字になりかねないということでした。こうした危機感があるならば、業務の仕組みを変えないといけないという風に考えることになります。危機意識が仕組みの変更を促した形です。

     

2 成功の方程式を考えること

危機意識から、新しい仕組みを考えた若者に、その次を考えるようにと言いました。それは、一番うまくいく成功の方程式を考えるようにということです。現状よりも圧倒的によくなる方法がありそうだから、制約なしに自由に考えてみてということでした。

圧倒的な成果が上がる方法があるから、探すようにと言ったのです。方法が存在するなら、少し詰めてみれば、わかる可能性が高いでしょう。実際、仕事のプロセスに一番手間のかかる部分があったのです。そこの業務を変えられるのではないかと問いかけました。

デジタル化する前提ですから、現状からかなり仕組みを変えないといけません。パソコンとアプリも必要になります。この若者の意見は普通のときなら、簡単には通らなかったかもしれませんが、試してみることになったのです。会社側の危機感がそうさせました。

     

3 マネジメントの発想が必要

よりよい業務の仕組みは、結果として出てくるものです。初めは赤字に陥るのが見えていたから、どうすればもっと効率化できるかということでした。今すぐできることで、何とかならないかということでもあります。これは緊急事態のことでした。

残念なことに、たいてい緊急事態がしのげると、そこでやめてしまうことが多いのです。緊急の場合には、「それはすぐにできるのか」という条件がつきます。これがしのげたなら、もう少し余裕ができるのですから、より大胆な改革をするチャンスです。

緊急事態の対応は、いわば対処療法でした。そこでやめずに、もっとずっとよい方法を考えることが、マネジメントの思考にあたります。対処療法ではなくて、あるべき姿を考えて、それを実現するためにどうするかを考えることがマネジメントの発想です。

若者の最初の案は甘いものでした。ほとんど手間なしにできたら成功の方程式になるのです。わずかな工夫でそれが可能になるのに、こんな簡単なことでもマネジメントの発想がないと苦労します。言葉のニュアンスとは別に、発想は必要だということです。

      

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