■「良いもの」を判断する基準:大切な質問に答えて

    

1 自分が良いと思うもの

講義をしていて、ありがたいことは、いい質問をいただくことです。先日の図解講座で印象に残った質問がありました。図や表を見て、良いと思うものがあったら、ファイルしておくと勉強になりますよというお話をしたことに対しての質問です。

良いというのは、どうやって決めればいいのでしょうかということでした。私もかつて、そんなことを考えていた気がします。自分がいいと思ったら、それが良いものですよと答えました。それしかないように思います。判断は自分でするしかありません。

絶対の正解などありませんから、自分が良いと思ったら、それがそのときにはよいものです。ただし、あとで振り返ったほうがいいと思います。それがポイントではないでしょうか。安心したように、わかりましたと答えてくれました。

    

2 自分で判断することが大切

最初から正解を出すことなどできませんし、図のようにセンスが問われるものに正解という概念はなじみません。当然、センスの良し悪しはあります。しかし絶対ではありませんし、これが正解ですと言われても、本当のところ、わからないでしょう。

自分で判断して、そのとき出した結論は間違っているかもしれません。だから絶対ではないと思っておいた方がいいはずです。そしてあとで、もう一度見返してみることも大切なことでしょう。もう一度見てみると、考えが変わるかもしれません。

おそらく、ふりかえってみると、何でこれがいいと思ったのかと不思議に感じることもあるはずです。こういうことは当然起こります。別にめずらしいことでもないですし、それが実力だということでしょう。自分で判断することが大切なことだろうと思います。
 

3 自分の判断を検証

かつてと判断が変わったからと言って、それが進歩であるとは言い切れませんが、変ること自体はべつにおかしなことではありません。かつてよいと思ったものを、すべて否定してしまって、いまが正しいというほど、絶対的なものがあるわけではないでしょう。

だからもし可能なら日付をつけて、ファイルしておくことがよいと思います。ファイルの順番を変えたり、そこからセレクトを作ったり、そうした処理は自由ですが、かつて役に立ったものは、その時には必要だったと考えておくほうがよいと、今では思います。

自分で判断するわけですから、客観的ではありません。主観的です。しかしかつての自分ともなると、距離が出てきます。だから自分が良いと思ったものをファイルしておくのは悪くないと思うのです。ずっとでなくても、ある時期やってみたらいいと思います。

     

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