■日本語の基本パターン:「誰・何・どこ・いつ」と「は・が・を・に・で」

     

1 形式的パターンが内容に先立つ

私たちは言葉を話すとき、特別意識して話してはいません。ある種のパターンが身についてしまえば、そう苦労なく、形式に当てはめることが出来てしまっているようです。そうなってしまえば、あとは内容が問題になります。形式が内容に先だつということです。

形式、パターンが先だというのは、言葉を話し始めた子供たちを見ればわかると思います。小さな子供にしばしばみられる受け答えを聞いたことがあるかもしれません。「好きな動物は何ですか」と聞かれたとき、子供たちはその動物名だけを応えれば十分です。

答えの動物がキリンだったなら、「どうしてキリンさんが好きなの?」と聞き返すことがあると思います。そのとき、「だって私は、キリンさんが好きなんだもん」という答えを聞いたことがあるでしょう。「どうして」に対して「だって」で答えるパターンです。

内容を見れば、質問に対して十分に答えたことにはなっていません。しかしこのパターンで答えること自体に違和感はないはずです。心配になる受け答えではありません。徐々に、内容が伴ってきます。私たちは言葉をパターンで運用しているということです。

      

2 基本形「いつ、どこで、誰が、何を、どうした」

日本語にも当然のことながら、基本構文が存在します。誰もが知っているのは、「いつ、どこで、誰が、何を、どうした」というものです。これは日本語の特徴をよく表しています。日本語の構造がどうなっているのか、確認してみると、それがわかるはずです。

まず「どうした」という文末が日本語の文を束ねています。「いつ/どこで/誰が/何を」のそれぞれが、文末の「どうした」と対応しているということです。「いつ…どうした」「どこで…どうした」「誰が…どうした」「何を…どうした」となります。

日本語では、文末の言葉が、センテンスの骨組みになる言葉を束ねる形式をとっているのです。私たちは知らないうちに、このパターンでセンテンスを作っています。文末が来れば、センテンスが終わりです。終わりの時点で、意味が確定することになります。

日本語では文末が大切です。文末が、その前に置かれた骨組みの言葉を束ね、意味を確定し、センテンスを終えます。文末が「…ではない」となっていれば、それまでに記されていたことが否定されることになります。日本語では、最後に意味を確定するのです。

     

3 目印になる助詞「は・が・を・に・で」

日本語で文の骨組みをつくるのは、文末および、その前に置かれた「誰・何・どこ・いつ」を表す言葉になります。「誰・何・どこ・いつ」の言葉が、「主役」「文末」、さらに「補足」「TPO」という4つの要素に分類されるのが日本語の大切な決まりです。

「いつ・どこで・誰が・何を・どうした」で見てみましょう。「いつ・どこで」という条件が示され、「誰が」という主役が出され、「何を」という補足が付加され、文末で束ねられています。「主役」「主役の補足」「TPOの条件」「文末」の4要素です。

文末は最後ですからわかりますが、主役・補足・TPOには目印が必要でしょう。その目印として、日本語では「は・が・を・に・で」という助詞が接続されます。主役には「は・が」、補足には「が・を・に」、TPOには「に・で」が接続されることになるのです。

     

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