■少数にすると精鋭になるということ:少子化に期待する理由
1 少数になって精鋭化した事例
少数精鋭という言葉があります。少人数の精鋭たちを集めたということです。これが少数にすると、精鋭になるという意味をも持つようになっています。再建王と言われた坪内寿夫が1980年代に提唱したことによって、この概念が定着したのかもしれません。
おそらく多くの人が、その通りだと思う事例に出会うことでしょう。じつのところここ数年、妙なことが気になっています。留学生の人数のことです。新型コロナが拡がる前、ある種の異変が起こっていました。とくに顕著だったのは、韓国からの留学生でした。
かつての韓国からの留学生たちは、穏やかないい感じの若者たちが多かったのです。ところがその後、韓国からの留学生の人数が増えだしてから変わりました。量が質に変ったのでしょうか。ある時から、唖然とするような若者たちが目立ちはじめるようになります。
人数がそのまま質の低下につながったわけではないでしょう。しかしその後、韓国ではボイコットジャパンが拡がります。その影響からか韓国からの留学生の人数が減りました。そうなるとまた、逆に戻ったのです。明らかに精鋭になったという感じがしました。
2 少数が全体に与える影響
韓国国内の事情もあったようです。国内の就職難から日本留学を決めるケースがかなりあって、反日的な態度の学生がいました。日本の会社に就職したら、なるべく早くやめて韓国に帰ると言うのです。日本企業に就職すると、韓国での就職が有利なようでした。
この種の人たちがやってくれば、全体に影響を与えます。少数が全体に影響を与える場合、よくないことの方が拡がりがちです。一部の日本企業から、気をつけろという話を聞いたのはそのころでしょうか。これではお互いに不幸な結果を生みます。
新型コロナの影響で、2022年から、留学生が激減することでしょう。その直前の2021年現在、留学生の数がほぼ半減しています。驚くべきことに、留学生全体の授業態度が激変しているのです。明らかにまじめになって、教師側の丁寧な対応も可能になっています。
3 少子化に期待できる理由
もしかしたら、急に留学生を拡大しすぎたのかもしれません。突然やってきたたくさんの留学生に、学校側が対応しきれなくなっていたはずです。学校経営からすると、いまは厳しい時期かもしれませんが、個別の対応がかなりできるようになっています。
少数にしたから精鋭になったとは一概に言えませんが、手間のかかるあれこれに対して、人数という絶対的な基準が影響を与えないはずはありません。さらに人数の変動を起こした要因が当事者に心理的な影響を与えています。ラッキーという意識があるようです。
圧倒的多数を占める中国からの留学生には、たいてい手を焼くことになりますし、いまもそうでしょう。しかしその手間が半減したと感じるくらい、明らかに様子が違います。結果だけで見るならば、少数になって精鋭になったと言ってもおかしくないのです。
日本では少子化が心配されています。しかし悪いことではないのかもしれません。少数にすれば精鋭になるという期待があるのです。実際、優しい偏見のない学生たちが増えているように思います。障碍者の会で活動していましたから、このことは身に染みています。