■在宅の仕事が多いときに:文書作成の基礎訓練
1 在宅での仕事の大変さ
先日、在宅での仕事を増やしている会社の役員の方から、このままの仕事の形態を続けていくと、そうとう業務水準が落ちますよという話を聞きました。在宅で一人で働いていると、緊張感をもって仕事をするのはむずかしいのでしょう。自然な気がします。
それなりの対策をたててはいるようですが、やはり苦労していらっしゃいました。根本的な解決にはなりそうもないとのことです。それでも緊急事態宣言の期間は、可能な限り在宅での仕事にしないといけない、これは社会的責任だということでした。
様々な工夫は必要かもしれませんが、それでもすべての問題は解決しないでしょう。業務の種類によって、対策は変わってくるでしょうが、パソコンがあれば仕事になるビジネスばかりではありません。大変なことです。コロナが早く収束することを祈ります。
2 Web会議のあとにレポート作成を
業務についての直接的な提案ではありませんが、すこし別の面から、お話をすることが出来そうに思いました。Webでの会議をした後、どうしているかが気になったのです。複数人で参加した会議のあと、そのエッセンスをまとめてみたらいかがでしょうか。
複数の人が、同じ会議をA4一枚程度にまとめてみると、なかなか興味深い結果になると思います。必要事項を漏らさずに、あるいはポイントがずれずに、簡潔な会議の記録が書けたら、そうとうな実力があると思ってよいでしょう。なかなかできないものです。
こういう機会ですから、基礎的な訓練をときどき取り入れてみたらいいのではないかと思います。実力がそのままに出てしまいますから、同じ会議に出て、ある人はこうまとめ、ある人はこうまとめたと比較されるのは、辛いかもしれません。
リーダーが集めて、これがよかったと言うなり、自らが修正して、サンプルを出してあげれば、それで当事者は、だんだん気がついてくるはずです。会議が終わった後すぐなら、記憶も鮮明ですから、終了直後に、レポートを書いてと言えばよいでしょう。
3 プレゼン以上の効果あり
会議が終わってすぐにレポートを書き始めたとしても、たぶん出来上がりには、個人差がかなりあると思います。上手にまとめられる人は、たいてい、さらっとまとめてしまいますから、提出も早いはずです。これは頭の整理の仕方の問題とも言えます。
こうした訓練を、目に見える形でやってみると、個人差の大きさに気づくはずです。それとともに、訓練によって、実力がついてくる過程も見えてくるでしょう。上手くまとめられたレポートを見ながら、自分なりに整理の仕方を学んでいったらよいと思います。
こうしてA4一枚の文書が作れるようになれば、パワーポイントによるプレゼンをしなくても、必要事項をわかりやすく記述した文章によって示すことが出来ます。繰り返し読めますし、読むのにも時間がかかりません。プレゼン以上の効果があるはずです。
文書の訓練は、会社でやるよりも、しばしば自宅でやる方が効果をあげます。在宅の業務が多いときに、上手に文書作成の訓練を取り入れたなら、今後に役に立つことは間違いありません。いまは、こうした基礎力を養成するチャンスかもしれないのです。