■パワーポイントを禁止にする理由:『アマゾンのすごいルール』を参考に

    

1 A4一枚作成講座

A4一枚にまとめられるようにする文書講座をしたことがあります。いまは残念ながら、コロナの影響で実施しておりません。書き方の話をして、その事例を見ていただいて、そのあと、その場で書いていただいて、それを修正していくというカリキュラムでした。

こうした講座にいらした人の中には、A4一枚にきれいにまとめると、パワーポイントで話す内容が入れこめるようになりますね…と言ってくださる人が出てきます。その通りです。A4一枚に簡潔にまとめたものなら、10分くらいで読めて、話がよく伝わります。

パワーポイントというのは、とても便利なアプリケーションです。何となく思いついたものを、カード形式にして並べると、なんだか上手くいった気になります。しかし、そうやっていると、文書を構成しようという意識が薄くなってくるようです。これが困ります。

     

2 パワーポイントをNGにしたアマゾン

簡潔に的確に文書が作れることは大切です。これが出来れば、仕事のスピード化が図れます。適切な訓練を行うならば、十分割に合うものになるはずです。最近はパワーポイントを禁止にする会社もかなり多くなってきました。そのほうが、業務を効率化できます。

佐藤将之『アマゾンのすごいルール』で、[パワーポイントの箇条書き形式で資料を作る企業も多いと思います。けれども、アマゾンではNGなのです]とあります。アマゾンに限りませんが、パワーポイントの便利さが欠点にもなっているのです。

[アマゾンでは、「説明資料は箇条書きにせず、必ず文書形式で書く」というのが基本ルールとなっています]と佐藤は『アマゾンのすごいルール』で書いています。文書の有利さは、プレゼンなしでも見える化されていて、何度でも反復が可能な点です。

アマゾンで、パワーポイントを禁止する理由は、[「後からその資料を読み返しても内容がわかるものでなければならない」という考え方があるからです]とのこと。パワーポイントの場合、行間の解釈の違いや、会話で埋めたところがトラブルの原因になります。

    

3 あとで困らない報告資料

実際のところ、パワーポイントを禁止にしなくても、簡潔な文書が書けるようになっていれば、問題にはなりません。A4一枚に簡潔にまとめられる人ならば、パワーポイントの資料を作っても、そんなにひどいことにはならないだろうと思います。

構成をきちんと決めてから、スライドを作っていくこと、必要な情報を正確に書きこんでいくことなど、作り方をある程度ルール化しておけば、問題ないはずです。あとで困ることもほとんどなくなります。結局のところ、文書作成の能力が問題なのです。

『アマゾンのすごいルール』に、ジェフ・ベソスが、報告[資料を読み直してみるものの、「何を言いたいのか、よくわからない」と腹を立ててしまった]とあります。日本だけではないのです。A4文書の作成は、ささやかですが、大切な訓練と言えます。

     

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