■経済学と福祉国家:富永健一『社会変動の中の福祉国家』から
1 ドイツの近代的な社会保障制度 富永健一『社会変動の中の福祉国家』(2001年刊)を読んでいます。文章は明確で面白い本です。しかし面倒なことになるかもしれません。扱われている内容からいって、この本だけで話が済みそうもないからです。どこまで理解できる …
1 ドイツの近代的な社会保障制度 富永健一『社会変動の中の福祉国家』(2001年刊)を読んでいます。文章は明確で面白い本です。しかし面倒なことになるかもしれません。扱われている内容からいって、この本だけで話が済みそうもないからです。どこまで理解できる …
1 ルネサンスとは「掘り起こし」のこと 木村尚三郎は1997年刊の『文化の風景』で、ルネサンスをひと筆書きしています。[人間の生き方の典拠を古代ギリシア・ローマに求め、書物の掘り起こしを行い、それらを読んで肥やしとし、市民文化として花開かせた。それ …
1 七支刀についてのNHKの報道 NHKオンラインで、石上(イソノカミ)神宮の七支刀の再調査がなされているとの報道がありました。この刀は『日本書紀』にも記載されており、その記載された七支刀が現存しているということですから、奇跡のようなお話です。その銘 …
1 突然の逝去 笠井誠一先生が93歳で、6月12日に亡くなったとお聞きしました。直接のおつきあいは、ありませんが、しばしば展覧会にいらしていて、少しくらいならお話をしたことがあります。先生がいらっしゃらない展覧会は、本当に淋しいものになるなあと思いまし …
1 たいてい「中庸」が正解 先日、揃いで持っていたはずの堺屋太一『風と炎と』の、第3部だけが見つかりました。よくあることではあります。はじめのソ連崩壊後の話を読み、そのあとを読んでいるうち、思い出してきました。最後の方に、「中庸の仕組み」を創造す …
1 高度な講義が成立した時代 内田義彦の『社会認識の歩み』は、1971年に出されています。岩波市民講座で講義をして、それに加筆して本にまとめたものだそうです。ずいぶんレベルの高い講義が成立したものだと思います。あの頃の日本人には、旺盛な知識欲があったの …
1 言語の概論書で評価されるエドワード・サピア 千野栄一の本をもう一度読んでみて、あらためて勉強不足を感じました。言語学の学者といっても、ソシュールとかチョムスキーの名前を聞いたことがある程度のものです。20世紀に入って、インドヨーロッパ語の枠が外れて …
1 ソ連の消滅が決定的になった要因 堺屋太一の『風と炎と』第3部が出てきました。時流解説の本です。1部も2部もあったはずですが、見つかりません。この巻だけ読んだようです。1992年の話なので、随分前のことですが、ページをめくるうちに、だんだんこの時 …
1 遺稿となった「私の考える言語学」 千野栄一は、一般には『外国語上達法』で知られた学者でした。言語学についても一般人に向けて、この学問のごく一部ではあっても理解できた気にさせる文章を残しています。2002年の「私の考える言語学」(『言語学フォーエバ …
1 特別な存在の『山の音』 マーク・ピーターセンの『英語で発見した日本の文学』は、とても興味深く読んだ本です。この人は、母語でない日本語できちんとした文章を書いています。そして、文学がわかる人だと感じました。引用箇所が的確で、どれもが魅力的な文章を選 …