1 標準的なルールと感性 図解講座の内容を考える際、日本国内だけで通用する原理ではなくて、世界標準になっているルールを抽出することを方針にしました。美的センスを問題にするよりも、もっと即物的というべき、「こういう場合はこうする」というルールを中心に …

■「実体として存在する美」と「状況によって成立する美」 続きを »

       1 「ルネッサンス」という西洋史正統論の用語 古代ギリシャ・ローマと現代のヨーロッパには、ある種の断絶があって、本来は古代から現代への歴史の継承がなされたわけではありません。堀米庸三は「ギリシア・ローマの古典古代史はなぜヨーロッパ史の第一章をなすか」 …

■ルネッサンスと西洋史正統論:「東洋のルネッサンスと西洋のルネッサンス」 続きを »

      1 ローマ美術が基礎 『西洋美術への招待』の「イントロダクション」で田中英道は、[西洋美術史をどの時点からはじめるのか、大きな問題である](p.1)と書き出しています。洞窟画などの原始時代にまで遡るべきか、ギリシャ美術史からはじめるべきか…という問題で …

■西洋美術史はどこまで遡ればよいのか:田中英道と堀米庸三の見解 続きを »

      1 例外的に苦労なく読める哲学書 いわゆる哲学書と呼ばれる本は、簡単に読めるものではありません。しかし、デカルトの『方法序説』は例外的な本です。普通の学生が読めます。以前、哲学史の話をしたときに、学生が高校時代に『方法序説』を読んだことが良い経験だった …

■デカルトの『方法序説』:典型的なモダンの方法 続きを »

       1 連続講義のテープ起こし お盆休みの息抜きに、今道友信の『西洋哲学史』を手にとりました。有名な本のようです。いままでパラパラめくっただけで、読まずにいました。まだ全部読んだわけではありませんが、しかしたぶん、この調子だと、時間のある時に全部読んでし …

■今道友信の『西洋哲学史』:よくできた講義録を読む楽しみ 続きを »

       1 無理のある「ポスト資本主義社会」 ドラッカーの『ポスト資本主義社会』は、1992年に書かれました。資本主義が終わり、次にどんな社会がくるか…という本ではありません。[ポスト資本主義社会そのものが、どのようなものとなるかについて予見することは、いま …

■息切れした『ポスト資本主義社会』:ドラッカーも歳をとる 続きを »

      1 どの側面でも一本筋の通ったブレない姿 ドラッカーの『現代の経営』でも、それ以降の著作でも、リーダーに必要な資質として「intgrity」があげられています。この言葉は、ドラッカー自身が定義しにくいと記していました。かつてドラッカーの著作から、どうい …

■インテグリティ「intgrity」の標準的な意味・用法 続きを »

       1 参院選に行くと言い出した若者たち ささやかなサンプルにすぎませんが、1人2人の事例でなくて、10人を超えてくると、気になってきます。まったく関係のない若者が別々に、今回の参院選挙の投票に行くと言い出していました。いままで投票していなかった人もそん …

■若者の投票行動についての印象:驚くべき安倍元総理への高い支持 続きを »

       1 戦略的互恵関係 垂秀夫元中国大使の『日中外交秘録』は、月刊文藝春秋に連載されたものに加筆され、500頁を超える本になっています。一気に読みました。読む価値のある本です。今回、阿古智子東大教授の主催する講演会に参加させていただき、お話を聞いてきまし …

■垂秀夫『日中外交秘録』出版記念講演会に行ってきました 続きを »

       1 「ポスト・インダストリアル社会」 ポスト・モダンという言葉が、かつて流行りました。何となく目新しいコンセプトのような気がしたものです。ところが、その実態は明確にはなっていません。それよりも前に、ダニエル・ベルが『ポスト・インダストリアル社会の到来 …

■「ポスト」考:ポスト・モダンがいまだ存在しない理由 続きを »