■図解講座について:受講者の要望の変化

      

1 初めての事前アンケート

図解講座が来月(2/17)あります。前回ご参加いただいた方々の様子を見て、何か変化が起こっているように感じました。事後のアンケートでも、初めてのことでしたが、もっと基礎的な話、図解以前の基礎の話が聞きたいというご意見が複数あったのです。

今回初めて事前のアンケートを実施して、講座への要望、どんな目的での参加なのか、確認させていただいています。文書作成の基礎、思考の整理ができることを期待しているという方が複数いらっしゃいました。長期で見ると、大きな変化が起こっています。

10年以上前に講座が始まりました。従来の図解の講座とは、はじめからコンセプトが少し違った気がします。企画した担当者も、途中から講座名に「思考の整理」と入れてくださいました。ありがたいことに、受講される方が多い講座になっています。

       

2 図の内容が問題

図を作る場合、どんな内容の図にするか、考えなくてはなりません。盛り込む内容自体の選択が大切です。どんな内容を、どんな形式で見せるのが効果的なのか。その前に、内容が詰められなくては困ります。そんなことから、思考の整理の話になりました。

人が何かを表現する場合、最初に絵や図で表現されてきたはずです。人類の歴史でも、文字よりも先に絵で表現されてきました。個人を見ても、文字を書くよりも先に絵を描いてきたはずです。そこでの表現は、感覚に基づいて描かれたものだったでしょう。

絵や図は、感覚によって表現されてきたものであるために、見る側も、一目でたいていのことがわかってしまいます。一目でわかるということが、図の有利な面です。しかし一目でダメだとわかってしまいますから、失敗のリスクがあります。内容が問題です。

     

3 新たな要望:文書作成の原則の追加

ビジネスで図を使う場合、文字で表現するよりも効果的なものでなくては意味がありません。図を使うからこそ、一目でわかるということが必要です。ただ、図が感覚でわかるものになっていなくて困りますが、示す内容が感覚的なものでは困ります。

ビジネスでは、原則として、明確で論理的な内容の表現でなくてはなりません。イメージ戦略というのは当然ありますし、その際に図を使うこともあるはずですが、例外事例と言ってよいでしょう。イメージ戦略で使う図に関して、図解講座では扱っていません。

図に盛り込む内容は、明確で論理的な内容にすることが必要です。そうなるように思考を整理する必要があります。こうした考えから、講義では思考の整理という前提を重視してきました。最初は、そんなものはいらないというご意見があったのです。

作図のパターンを教える講座かと思ったら、内容をどうするかの話があって驚いたという反応がありました。ポジティブな反応でしたから、今でも原則は変わっていません。今回、図解以前の文書作成の原則から話が聞きたいというご要望があったということです。