■思考の整理ということ:図解講座を終えて
1 「思考の整理」というテーマ
20日に『図解表現入門講座』の講義を行ってきました。たくさんの方に受講いただき感謝しています。講座を案内するときの正式名称は「思考の整理、ファシリテーション、レポート・提案書作成のための『図解表現入門講座』」です。
最初の「思考の整理」というフレーズに興味を持つ人がいらっしゃるのは感じていました。そのためテキスト全体にこれらの要素をちりばめておいたつもりです。しかし「思考の整理法その1・その2」といったたぐいの項目名をつけていませんでした。
「思考の整理」というテーマにもっと焦点を当てて、丁寧にもっとわかりやすく書いておいたほうが良かったかもしれません。思考の整理の方法をもっと聞きたかったというアンケート結果があったので、そんなことをあらためて感じました。
2 個人のスタイルに依存する思考過程
思考を整理するとき、どういう方法を使うのが標準的なものでしょうか。おそらく2つのアプローチの仕方があるだろうと思います。文章を書くためのアプローチと図を描くためのアプローチの2つです。思考の整理の場合には、両者ともに、文字が必須になります。
白紙にキーワードやキーフレーズを書き、それを何度も直しながらまとめていく方法は、思考の整理の過程でよく使われるものです。この書き直しの過程は、個人のスタイルに依存していて、かなり差があります。標準的な方法はこれですとは言いにくいものです。
思考がまとまってきて、シンプルに整理しようとするとき、文字を使った形式と図を使った形式の2つに分かれていくことになります。箇条書きや要約にする場合と、図で示す場合とになるはずです。今回の講座では、図を使う場合を中心にしていました。
3 文字や図で思考を整理
思考をまとめる過程は、いわばブラックボックスのようなものです。思考がまとまってきたなら、文字や図を使ってシンプルに示せるはずです。つまり文字や図で表現できてはじめて思考が整理されたことになります。「一言で言えば」「一目で見れば」です。
思考をまとめていく手法は、人によって異なりますから、自分に合った方式を見つけることが一番大切なことでしょう。今回、私の方法もご紹介しました。図解講座ですので、専門家の手法を丁寧にご紹介できませんでしたが、今後、少し考えたいと思います。
まとまった思考を整理するとき、文字にするのがよいものと、図がよいものとがあります。図でまとめる場合、グラフや表の標準的な形式をヒントにすれば、まとめやすくなります。基本的な手法が、思考の整理に活かせますとお話した趣旨です。