■文書の標準化のポイント:ビジネス文書作成の基礎

1 文書レベルの格差が拡大

文書講座を担当します。最近は操作マニュアルなどの各論を中心に講義していましたので、久しぶりです。技術者や研究者向け講座が主の機関の主催になりますので、講座一覧を見ると技術に関する講座が並んでいて、場違いな感じもします。どうなるでしょう。

数年前に開催したときに印象的だったのは、グローバル企業の管理職の方々の参加が多かったことでした。それより少し前、ビジネス文書の標準化という課題に取り組んでいた組織がいくつかありました。少し遅れてのことでしたので、印象に残りました。

一周遅れのように見えますが、すでに別の段階にあるということがわかりました。文書の扱いに大きな差がついてしまったようです。最近いただく相談は、やや深刻化しています。多くの組織で、かつて問題とされた文書の標準化が解決されずにいます。

2 旧来の「文書の標準化」

「文書の作成」と「文書の利用」を想定しない標準化というのは無理があります。当初、文書が問題視されたのは、内容の薄さが指摘されたためでした。文書の内容に踏み込んだ対策でないと、意味がないのです。これなしの努力は無駄になるだけでしょう。

文書の標準化に必要だという考えから、文章を書くための共通基準のチェックリストを作った組織がありました。こうしたアプローチでは、成果は上がらないのです。そのためか最近では、もはや担当者が文書の標準化を放棄しているというお話も聞こえてきます。

文書の標準化の相談をするとき、まずどういう目的なのかをお聞きします。振り仮名や読点の打ち方などの入った記述用マニュアルを見せられたら、やめておきましょうと言いたくなります。そんなことなら、A4一枚で提出という基準を示したほうが効果的です。

3 文書作成の標準化

文書の前提として、容量を決めることは効果的です。報告書をA4一枚にまとめるようにという原則を採用する会社がかなりあります。「A4一枚で書く講座」を担当したこともありました。文章量が決まると、入れ込む内容が決まってくるのは当然でしょう。

問題は、容量にふさわしい内容のある文書をどう作るかです。標準化すべき点があるとすれば、どうやって文書にまとめ上げるかという点の確認になると思います。内容を作り上げるときに大切なのは、何を言うかという点です。これが文書の機能になります。

何かを伝えることが文書の機能だとすると、何を伝えるのかを考えないといけません。そのとき、伝えるべき材料に何があるのかを数え上げる必要があります。たいていメモすることになります。このプロセスで「メモする」とは、どうすることなのでしょうか。

このプロセスでのメモについて、標準的な手法を身につけたら、文書の内容が変わってきます。このように各プロセスでどうするのがよいのか、最低限の基礎訓練がなされるべきです。文書の標準化のポイントは、作成の標準化と習得の問題になってきています。