■トレーニングマニュアルの作成:最近の成功事例から

       

1 突然の連絡とちょっとした指導

卒業した教え子が、突然連絡をよこすことがあります。たいてい新しい仕事の担当になって、どうしたらよいかわからないといった場合です。多くの場合、大したことない話で済みます。何も知らないから困るだけで、最低限のことを知れば、何とかなるものです。

今年に入ってから、業務改革の担当になった入社3年目の若者がいます。胃が痛くなって、もう大変だということでした。何もわからない、誰もやりたがらなくて、お前がやれとなったようです。どうしたらよいのかという話でした。ありがちな話でしょう。

最初に、必要なデータをピックアップするように言いました。改善案を出して実践しても、その結果がどうなったのか検証できなくては困ります。必要なデータを揃えなくてはなりません。そんなことで、項目をピックアップして、数字を教えてもらっていました。

       

2 教科書通りの作業と手続き

必要なデータの数値を記したリストができました。ここから評価基準をどう作るかが問題になります。目標管理の場合、実行した後に、それを測定することが必要です。測定方法と測定の尺度がなくてはなりません。計算式は、シンプルなほうがよいでしょう。

利益率だとか、たいていそんなもので済みます。若干面倒な数値の操作が必要でしたが、幸い計算式は、そう苦労なくできました。あとは一番大きな改善項目を実施して、反応を見ていくことになります。教科書通り、2カ月で、明らかな効果が出てきました。

発注管理等、いわゆる適正手続きが必要になります。季節的な変動がデータをおかしくするリスクがありますから、その辺の操作が必要です。若干面倒な…と言ったのは、そのあたりのことでした。これをクリアして成果が上がったのです。役員から評価されました。

      

3 トレーニングマニュアルの作成が成功要因

経営会議に列席の最年少の担当者が、担当の役員から激賞されたというのは、やはり例外的なことだったようです。これは親心だったのでしょうか。この激賞のおかげで、その後の仕事がやりやすくなったようです。改善提案制度を作ることになりました。

シンプルなものです。皆さん、改善提案をお願いします…という程度のことでした。しかし、すでに提案制度の前になした改善の効果が数値になって表れていましたので、意外にも提案が次々出てきたのです。これがまた数値になって表れて来るでしょう。

ほんのちょっと教えただけでしたが、思いのほか大きな成果があがっています。他の人がやりたがらない分野だったことと、それゆえ、手つかずだったので改善の効果が出やすかったということでしょう。来年から昇進することが決まったとの連絡がありました。

ほんのちょっと教えただけでしたが、実際の成果が明らかになり、それが組織にとって無視できないレベルの改善になったのですから成功でしょう。ここまでのステップは、プログラム通りでした。トレーニングマニュアルを作ったのが成功要因だともいえます。