■日本語のセンテンス概論:5W1Hと構文の構造

       

1 5W1Hと日本語のセンテンス

5W1Hというものをご存じでしょう。5Wとは「who/what/where/when/why」であり、1Hとは「how」になります。日本語にすれば、「誰・何・どこ・いつ・なぜ」と「どのように」です。「なぜ」は目的、「どのように」は手段を表します。

「なぜ、そうするのか」と「どのように、それをするのか」が目的と手段ということです。ここに「いつ・どこで」という、どんな場合という条件が加わります。目的と手段を含む条件の下で、主体の代表となるのが「誰」であり、客体の代表となるのが「何」です。

日本語の代表的センテンス「いつ・どこで、誰が何をどうした」ならば、条件「いつ・どこで」、主体「誰が」、客体「何を」、行為「どうした」となります。ここに「なぜ」「どのように」を加えることも可能です。5W1Hが中核の要素になっています。

       

2 構文の構造

「いつ・どこで、誰が何をどうした」は、「いつ・どこで、なぜ、誰が何をどうした」にも、「いつ・どこで、誰が何を、どのように・どうした」にもなるということです。一方、条件「いつ・どこで」をカットした「誰が何をどうした」でもセンテンスになります。

「誰が何をどうした」はセンテンスの中核であり、これが「構文」です。この構文の場合、主体があって客体などの対象があって、行為などを表す文末がそろった「主体・対象・文末」の構造になっています。ここでは対象は1つですが、2つ存在する形式もあります。

構文を構成するときに、「対象」は必須の要素ではありません。「対象」がない「主体+文末」構造の構文もあります。つまり日本語の構文は、「主体+文末」「主体+対象+文末」「主体+対象+対象+文末」の3つの形式からなると言ってよいのです。

       

3 基本要素と基本助詞

日本語のセンテンス構造は、「条件(目的・手段を含む)・主体・対象」+「文末」となっています。このうち「条件・主体・対象」を表す「誰・何・どこ・いつ」が、日本語の基本要素とです。この基本要素の機能が何であるかを示す目印が助詞になっています。

「誰が」ならば、主体の目印です。「何は」の場合も主体の目印になります。「何で」ならば、どんな手段なのかという「条件」を表す要素です。「どこに」ならば対象であり、「どこで」ならば条件になります。助詞が基本要素の目印になっているのです。

こうした目印になる助詞「は・が・を・に・で」を、基本助詞と呼んでおきましょう。「は・が」がついたら主体の目印、「が・を・に」がついたら対象の目印、「に・で」がついたら条件の目印になります。助詞は目印ですから、1対1対応にはなりません。

「この本は」でも、「この本が」でも、単純に主体だとは言えないのです。「この本はベストセラーです」(主体)、「この本は読みました」(対象)、「この本が基本書です」(主体)、「この本が好きです」(対象)…となります。多少のトレーニングが必要です。