■マネジメント体系の構築について:一つの試み

      

1 コンセプトとビジョン

私たちにはモノを認識する知覚の機能があります。私たちが受けたとった感覚を認識するには、知覚が必要です。感覚器官が受け取るものは受動的なものですが、それを意味づけするのは能動的な機能だといえます。インプットしたものを解釈するということです。

一方、アウトプットしようとすると、自分なりの考えを構築しなくてはなりません。インプットしたものを解釈するだけでは、自分の受け止め方に留まります。自分の考えに基づいた何らかの主張が必要です。モノが見えて、それがどうだという考えが求められます。

このとき中核となる考えは二つの形式をとるはずです。一つは簡潔な文章の形を取り、もう一つは、図式の形になるでしょう。簡潔な文章はコンセプトであり、図式の形をとるものがビジョンです。モノを可視化するためには、文字と図を使うことになります。

      

2 動きを与えるストーリー

コンセプトにしても、ビジョンにしても、様々な場面で使われますから、その場その場で意味解釈が違ってきます。統一的な定義をするつもりはありません。思考をまとめる際に、文字化と図式化の二つがあるということ、その二つとも必要だということです。

私たちは、文字化と図式化という手段によって、自分の考えをまとめることが可能になります。大切なことは、文字化し図式化することによって、自分の考えを知覚することができるようになるという点です。この場合、文字化も図式化も簡潔でなくてはなりません。

簡潔な文章、明確な絵図があれば、ある状況が見えてきます。ここでは両者が固定化され動かない概念になっています。簡潔な文、明確な絵図により、状態や評価を静的に示しているということです。これらに動きを与えるには、ストーリーにする必要があります。

     

3 戦略は目的を目標に転換するもの

アウトプットが能動的なのは当然です。知覚以上に能動的なものですし、出力をするための運動が必要になります。運動器官の運動機能を働かせることにより、動的な表現を獲得することになるでしょう。コンセプトもビジョンも、ターゲットを指しています。

ターゲットに向かって進んでいくときのプロセスを示して、動的な表現を与えるのがストーリーです。「ここから、こうして、こうやって、さらにこうすれば、ここに行ける」というスタートからゴールまでのプロセスを示すことによって、動きが表現できます。

つまりは、戦略のエッセンスを言葉で示すのがコンセプトであり、絵で示すのがビジョンです。それを戦略にまとめるのがストーリーだという理解になります。戦略が見えてきたなら、目標の設定ができるはずです。目的を目標に転換するものが戦略になります。

マネジメント体系の標準形式は、まだ定まってはいませんし、統一的な理解が必要であるかどうかも、わかりません。ただ、ビジネスを成功させたオーナーたちが、しばしば独自のマネジメント体系を持っているのも確かです。考え方の基本が必要なのだと思います。