■シンポジウムに参加して:話の進め方について
1 シナリオによる時間管理
ひさしぶりにシンポジウムに参加してきました。お話をお聞きしたのは、3人の対話と1人のプレゼンテーションの2つのセッションです。こういう形で、現役の企業幹部の話を聞くのは、興味深いことでした。内容以上に、こういう風になるのかと思います。
3人の対話は、シナリオがあったのでしょう。司会者も、淡々とそれに従って話を振っていました。各人が予定通りにお話なさって、時間通りに終わったという感じです。講義をするときに、テキストに沿って話をして、予定時間に終わらせるのに似ています。
もし3人がシナリオなしに話をしたら、時間管理がうまくいかないでしょう。誰かが長く話しすぎたり、偶発的な発言から話が発展したり、論争になったりという可能性があります。それがないために安定性がありました。一方で、面白みはいま一歩になります。
2 聞かせる話をどう作ればよいか
複数の人が話をする場合、ある程度の時間を楽しませるだけの内容を、毎回期待するのは難しいことです。うまくかみ合って話が発展するには、ある種のアクシデントが必要かもしれません。しかしその場合、たぶん時間超過になりますから、難しいことです。
文章にまとめる場合なら、時間を決めずに話をしてもらって、あとでそれを編集して、おいしいところだけまとめるということができます。その点では、文字で記述することの有利さもあると改めて感じました。シンポジウムでは、簡単にできないことです。
3人が集まって、聞かせる話を既定の時間で終わらせるには、どうすればよいのか、シナリオの書き方が気になりました。事前に話を聞いて、おいしいところを見つけて、3人の組み合わせを考えた上で、その話をしてくださいというのが一番ありそうなことです。
3 プレゼンでどう話を進めるべきか
一方、プレゼンテーションの場合は、パワーポイントで作った資料を基に、話を進めていくのが一般的なことでしょう。今回も、そういう形式で話が進んで行きました。一人での話ですので、時間管理は容易です。こちらは事前に話す内容が決まります。
講義でテキストに沿って話をするのと、ほぼ同じでしょう。講義の場合、質問の時間を取りながら進めていきますが、シンポジウムでの講演では、時間の関係もあって、それは難しいことです。一定時間に一定内容を盛り込んで、進めていかなくてはなりません。
今回、話したいことを少し盛り込みすぎた感じのお話でした。最初に興味を引く話を持ってきて、それで次はどうなの…というかたちで進めていくか、あるいは、最初に話の流れを示して、こういう話をしますという風に進めるかした方が、よかったかもしれません。
講義をする側が、お話を聞く側に回ると、内容だけでなくて、話の進め方や、自説の示し方が気になるようです。自分でも、様々な失敗をしていることは確かですし、それに気づきやすくなるだろうと、あらためてシンポジウムに参加する意味を感じたことでした。
