■積み重ねのトレーニングの必要性:対照的なトラブル対処法

      

1 ベテランがフリーズ、若者が活躍

たまたま重なったトラブル対処の事例が、あまりに対照的だったので印象に残りました。片方は、もはやベテランといってよい管理職の人の場合です。本人は仕事ができると思い込んでいる人でした。ところが今回のトラブルで、フリーズしてしまっています。

解決は、期待できそうにありません。従来からの対処法が、そのまま使えなくなったので、お手上げになりました。ほんのちょっとした応用問題ですが、なぜかそうしたことがわからないようです。こわい上司にも会わず、ぬるい環境で仕事してきました。

もう一人の入社数年目の若手の方は、これこそ従来にない対応が必要な際に、類似のケースを類推適応しようとして、こちらに連絡が来ました。上司がお手上げだというのです。お見事、それで行けばよいと返信しました。両者の違いは、何なのでしょう。

     

2 役に立たない「一対一対応」の仕事術

ベテランの方は、現在、自分が関わらなくてはいけない問題はないのだという方向へ、思考が向かっていますので、解決は期待できません。決まりきったことはできましたが、基本が抜けていたようです。このひとの妙な感じが、やっとわかった気がしています。

すべて答えがあって、それも一対一対応なのです。こういうときは、こうするという決まった定型性のある仕事の仕方をしていると、何だか機械的なつまらない感じを与えますが、たぶん、それだろうと思いました。基礎から考える思考が働かないようです。

若手は知識が少ないのに、身につけた基礎的な発想を使って、たぶんこんなところだろうと考えて連絡をよこしました。こちらは、経験を積み上げていく感じがあります。今回の件で、また実力をつけたことでしょう。基礎からの積み上げてきている点が強みです。

     

3 積み重ね・積み上げることの強み

基本原理とか、基本構造とか、何だか抽象的なもののようですが、基礎の理解のときに、何らかの事例を見ながら、身につけておく必要があります。これがわからなかったら、大変なことになるからねと、最初に警告を受けていたのが、今回の若者でした。

実力を積み上げていけるだけの基礎の構築が必要です。ビジネスの場合、バカバカしいくらい、基礎的な原理が、その後まで影響を及ぼします。逆に言えば、そうやって、後々まで使えるのが重要事項であるということになるでしょう。基礎学習が大切だと思います。

こわい上司がいた方がよいとは、必ずしも言えませんが、若者は胃が痛くなるような日々を過ごしてから伸びてきました。かなり理不尽なケースもあったようですが、実力がつくほどに、平然とした対応できるようになっています。積み重ねた強みでしょう。

間違ったら大変だという思いが、潜在能力のあった若者を育成したようです。今回の件で、上司はお手上げになりました。傍から見てきた人間には、一部の領域で、若者が上司を追い越した気がします。そんなことで、いま積み上げるプログラムを検討中です。