■インテグリティ「intgrity」の標準的な意味・用法
1 どの側面でも一本筋の通ったブレない姿
ドラッカーの『現代の経営』でも、それ以降の著作でも、リーダーに必要な資質として「intgrity」があげられています。この言葉は、ドラッカー自身が定義しにくいと記していました。かつてドラッカーの著作から、どういう意味かを探ったこともあります。
しかしドラッカーと離れて、もう少し一般的な意味での「intgrity」の意味が、そもそもどういう概念なのか、気になるところです。辞書的な意味で、どういう意味になるのかを探ってみたのですが、辞書からきれいに主要概念を抜き出すことができませんでした。
幸い渡部昇一ブックス『アングロ・サクソン文明落穂集』12の「あとがき」に、江藤裕之がインテグリティという言葉について、説明しています。[どの側面でも一本筋の通ったぶれのない](p.165)ということが基本的な意味になるということです。
2 2つの概念からなる言葉
「intgrity」という言葉は、2つの概念からなる言葉であると考えることができます。[「完全な状態、全体性」と「誠実、正直、高潔」といった意味](p.165)を持つ言葉だということです。正しき誠実な心で全体が貫かれていることになります。
江藤は、渡部昇一の一番弟子と言っていいような人です。その人が、渡部昇一のことを、「intgrity」だと語っていました。江藤は、この言葉の2つの概念の関係について、[主張や態度の一貫性(完全な状態)は誠実さにつながる](p.165)と説明しています。
渡部がかつて使った「知的正直(intellectual honesty)」という英語が示す概念を貫くこと、それがintgrityだということです。こうした江藤の説明は、ドラッカーと関連づけられたものではなく、一般的な「intgrty」という言葉に基づいた説明だろうと思います。
3 ドラッカーの用法はかなり標準的なもの
その人の気質が正直さ、高潔さで一貫していること、これはビジネス人に限らず、すべての人にとって大切です。こうした気質は、学者や知識人の場合、とくに「知的正直」という形で現れてくることになります。これを実践できる人は、やはりすごい人です。
知的正直を貫くことは、簡単なことではありません。これを一貫して実践する姿を見せてきたならば、その人は大した人物だとみなされることになります。大した人物だという敬意がもたれるからこそ、リーダーにふさわしい人物だとみなされることになるでしょう。
ビジネスの場合、知的正直という以上に、結果を出そう、成果をあげようとして、ひたむきな側面が強調されるかもしれません。若干のニュアンスの違いはあっても、一貫したふるまいを見せていれば、大した人物であり、リーダーにふさわしいことになります。
ドラッカーのいう「intgrty」は、結果を出そう、成果をあげようというひたむきさが、神様から見ても正直・誠実さを貫く形で成されることだと言うことになりそうです。江藤裕之の説明によって、ドラッカーの用法はかなり標準的なものなのだとわかりました。
