■仕事の仕方の違い:『スタンフォード式お金と人材が集まる仕事術』から

   

1 日本流の親切は期待できないアメリカ流

西野精治は『スタンフォード式お金と人材が集まる仕事術』の冒頭で、本の題名に「スタンフォードの」「シリコンバレーの」とつくものに対して、苦言を呈しています。滞在期間が短すぎる、情報が古くなっているということです。

[最新情報は、とっくにアップデートされて現地では通用しなくなっていることがしばしば]とのことです(p.10)。著者は2020年の執筆当時、米国滞在33年、現役のスタンフォード大学の教授でした。根本的に仕事の仕方が違うのを痛感しているようです。

気さくな様子なのは[アメリカのマナーであり習慣]にすぎなくて、[個人的には優しい人であっても、ビジネスの場では日本流の手取り足取り面倒をみるという親切は一切期待できません]と記しています(p.19)。自分でやらなくてはいけないということです。

    

2 自分のことは自分でやる前提

プロジェクトに参加する人たちは、自分のことは自分でやる必要があります。[自分が何をやりたいか。どうすればそれが出来るか。仕事を作る、仕事を探す、人とお金を集める、成果に直結するように計画を立てて実行する](p.19)ことが不可欠です。

したがって、[一人一人が猛スピードで進めていくのが当然という了解のもと、誰もが必死でやっているのですから、他人に手取り足取り指示を出したり、仕事を与えたりする暇はない](p.20)ということになります。オリンピック選手のような感じです。

目標や課題を設定され、こうするのがわが社のやり方だから…という日本式の仕事の仕方は、西野にとって[自由がない働き方]であり、[指示通りにやるだけで何年も過ごし、結果が出たのか出ないのか、誰の成果かもわからない]のは不向きなことです(p.20)。

     

3 目的と実現可能性の調査が必要

西野は「フィジビリティ・スタディ」という言葉をあげています。実現可能性の調査が必要だということです。この前提として目的が明確であることがあげられます。「目的ありき」の研究が前提であり、その実現可能性の調査が必要だということです。

[目的が明確なのは欧米人の特徴](p.87)であり、同僚のエマニエル・ミニョーは「情動脱力発作の精神薬理的調整期所を解明する」という目的を持っていたとのこと。[ちゃんと自分なりの仮説も持ち]、それを実行・改善・検証しようとしていたのです(p.86)。

会議でも、まず[アジェンダを事前に共有]し[「時間に制限がある」という意識を持つこと]、さらに[「必要がない人」を排し]て行えば効率化できます(pp..35-42)。単位時間にどれだけ付加価値をつけるかという労働生産性を意識すべきでしょう。

2020年3月に日本にいた西野は、日本で「テレビご用達、にわか専門家」がコロナの解説しているのに[辟易しました](p.236)。実際の感染による被害がどうだったのか、といった点の検証も必要でしょう。これらも含めて、参考になる点が多々ある本です。

      

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