■AIの発達と日本語の能力

     

1 AIによる文書作成

先日、IT企業の若手のリーダーからAIが進んできて、今後どうなるかという話がありました。いまよりも、もっと要約から文書作成から、どんどんやってくれるようになる時代が来るはずだというのです。いまでも、相当なレベルだとの話でした。

これからAIはもっと賢くなってくるはずです。AIを上手に利用したら、便利になることは間違いないでしょう。今後、AIがなくなる世界を考えるのは困難です。だからと言って、リーダーたちが文章の訓練をしなくていい時代が来ることもないでしょう。

逆に、文章についての関心が高まっています。すでに一部の人達から、日本語能力の差が拡大してことを指摘する声が上がっていました。能力差が大きくなってきていて、その能力がないと、リーダーになりにくいということは特別な話ではないでしょう。

     

2 機械化によって起こったこと

若いリーダーは、なぜ今後本気で読み書きをやらなくてはならないのか、その辺がもやもやしていたのだろうと思います。AIに任せればいいということだったのでしょうか。機械化が進んで、たしかに機械に任せるようになりました。その結果が問題です。

ドラッカーが『産業人の未来』で、[大量生産工場における機械化や自動化]によって起こったことは、[かつての肉体労働者がいなくなり、職長が残った]と指摘していました(p.89)。職長がなすべき仕事は、以前とは違います。機械の制御・管理が仕事です。

AIが機会と同じ機能を果たすようになるかもしれません。機械化できることは、機械がうまくやります。いかに素晴らしい機械を作るかが問題です。その機械を、いかにうまく運用し、メンテナンスしていくかということがポイントになります。

      

3 リーダーの文書作成能力が問われる時代

AIが作る文書が完璧なものになるはずはありません。作られたものをどう評価し、どう利用するかを考えるのは人間です。AIへの指示の出し方も問われるかもしれません。機械化によって仕事の仕方が変わったように、AIによって仕事は変わるでしょう。

機械化によって、機械を扱う人への要求が高くなり、どう機械化するかが成果に直結するようになりました。機械を作る人と機械を利用する人が、ともにレベルアップをしてきた結果、成果が上がるようになったということです。AIも同じ機能を果たすでしょう。

ビジネスに文書は不可欠なものです。それらの一部をAIが担うようになるかもしれません。それを効率的に的確に利用するためには、文書作成能力の高い人たちが必要になります。評価の仕方も、もっと客観性・合理性が問われるようになってくるでしょう。

全員の人達に、いままで以上の文書作成能力が必要になるわけではありません。リーダーに必要になるということです。訓練するには、ある程度年齢がものをいうかもしれませんねと、若いリーダーに言いました。まずいですと言ってましたので、伝わったようです。

       

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