■業務マニュアルを作るためのスキル

       

1 操作マニュアルの作成が基礎

昨日、なんとか操作マニュアル作成講座のテキストを作って送ったところです。事前のアンケートをしていただいたおかげで、受講される方の経験や要望をある程度、把握することができました。それを反映した内容にしたつもりですが、さてどうなるでしょうか。

操作マニュアルのつくり方を学ぶことは、いずれ業務マニュアルを作るときにも役立つはずです。操作マニュアルと業務マニュアルでは、内容も違いますし、作り方も違います。しかし同じくマニュアルですから、基礎のところは同じといってよいでしょう。

いま問題になのは、業務マニュアルが作れないということです。最近は製造業の状況について話をお聞きすることが多いのですが、以前とは様子が違ってきました。製造業のかなり強い組織でも、なぜかマニュアル作りがうまくいかないというお話になります。

      

2 作成指導者がいないのは自然

なぜマニュアル作りがうまくいかないのか? 組織にマニュアルを作成する先輩がいなくなってきているからです。かつての業務マニュアルとは、もはや実質的な内容が違っていますから、業務マニュアルのつくり方も違ってきます。指導者がいないのが自然です。

デジタル化が進んで、日本の家電業界の元気がなくなってしまいました。特定の組織の特別な技術力に依存した製品ではなくて、機能的には十分なもの、価格も廉価なものが市場に登場してきましたから、仕方ありません。かつてと状況が違うのは当然のことです。

若い人たちがマネジメントを学び、改善や改革をどうするかを学んで、業務マニュアルを作っていくようになればよいと思います。そのためには、一定水準を超える操作マニュアルを、そう苦労なく作れるようになることが必要です。

      

3 ルール作り・仕組みづくりが中核

業務マニュアルでは、共通基盤を作ることが中核的な問題になっています。多様性を前提とするなら、共通のルール、仕組みがあることが不可欠です。こうしたルールや仕組みづくりは、簡単に一発解決ということにはなりません。それだけ難易度が高いのです。

海外進出して成果をあげている企業は、こうした共通基盤づくりを行って、優位性を確保していると言ってよいでしょう。共通基盤というのは「AならばB」という決まりを作ることと、「この領域の手順はこうする」というプロセスの決定が中核になります。

大げさなことではありません。例えば文書管理ができていない会社があります。2つのことが必要です。まず、各文書のフォーマットを決めること。これがルール作りです。次に、文書管理の手続きを決めること。これが管理の仕組み、プロセスを決めることです。

操作マニュアルのつくり方を学んだら、「AならばB」のルールを決め、仕組み作りを学びます。仕組みとは、目標とする効果を明確にして、そのゴールに向かうプロセスを決めることです。順を追って学んでいけば、十分に習得可能なスキルといってよいでしょう。

      

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