■文書形式の標準化:その有利性と文章のチェックについて

      

1 ルール化して文章チェック

文章チェック講座を先週末に実施しました。文章というのは、一度書いたら、そのままの静的な存在ですから、これをチェックすることは合理的だろうと思います。しかし他人の文章をむやみやたらに直したり、ダメを出すだけでは、どうにもなりません。

最近では、他人の文章について、ダメを出すだけでハラスメントだと言われかねないと言い出す管理職も出てきています。ご本人もダメを出されて、自分で考えろと言われてきたようです。こういう場合、どういうふうに文章をチェックしたら良いのでしょうか。

どうすべきかということなら、簡単 です。ルール化するということになります。こういうルールで書くようにと、ルールを示して文章を修正するように誘導することが必要です。すべてをルール化するのではありません。大切なポイントにはルールが必要です。

       

2 組織ごとに独自ルールが必要

ルール化して方向性を与えることが、文章チェックのポイントだとしましょう。そうだとすると、組織あるいはリーダーが文章のためのルールを作らなくてはなりません。その通りです。基本はいくつかご紹介しますし、その原理もお話します。

しかし組織ごとに、ある種、独自のルールが必要になるはずです。実際に今回の講義にいらした方たちの立場は、本当に驚くほど違いました。いままでのような、管理職が部下の文章を見て、あれこれ言うのとはずいぶん違ってきています。

同時に文章を素材にして、チェックするという点では同じです。新入社員1年目の文書チェックの場合、何年か分の資料があったならば、それを活かさない手はありません。1年目の、いつまでにどこまでやれるかをモデル化することも可能かもしれないのです。

      

3 形式の標準化が基礎

文章それぞれについては、多様性が必要ですが、スタイルについては独自性は必要ありません。標準のスタイル、フォーマットがあったほうがしばしば有利に働きます。書く方も戸惑いませんし、読むほうも定型性が判断をしやすくしてくれるはずです。

もっとも大きな定型性は、文章の分量、文字数と言ってもよいでしょう。最近はA4一枚に報告書を書くようにという組織が増えています。その時に、記述のフォーマットが決まっているところがしばしばです。書く方も読むほうも、効率化しやすくなります。

文字数とスタイルが決まっていれば、比較が容易になります。こうした形式での文書ならば、出来の良いサンプルを参考に、成功モデルが作れる可能性が十分でしょう。そうであるならば、ルール化も容易になるはずです。こう書けば、うまくいくと誘導できます。

文書の目的から考えて、分量やスタイルをある程度決めていくことが大切なことです。ある種の統一化が進むことによって、ルール化が可能になります。文書形式の標準化ということです。文章をチェックするときに、形式の標準化が基礎になることがあります。