■電子化文書の作法1/4:文書の読まれ方の形態

1 紙文書から電子文書へ

多くのビジネス文書が電子化されています。電子化文書が一般的な形式になりました。業務マニュアルの分野でも、電子化は必須の流れとなっています。業務マニュアルの場合、繰り返し使われる文書であるため、電子化の問題が顕著に現れます。

紙の業務マニュアルをそのまま電子化したら、突然使われなくなったという事例はめずしくありません。そのおもな原因もいくつかに絞られています。本格的な対策が必要となってきています。業務マニュアルだけの問題でなく、電子化文書共通の問題です。

まず電子化文書がどういう形式で読まれるのか、その点から見て行きましょう。紙の文書を読むときと、どう違うのかが問題となります。一番大きいのは、情報量の違いでしょう。紙に比べて、情報を盛り込みにくくなっているということです。

紙と同じだけの領域があった場合、同じ内容であるならば、紙のほうが圧倒的に読みやすいはずです。画面は、紙を読むときと比べて、目から離れています。凝視しているわけではありません。眺めているのです。紙で読むときのようには、読んではいません。

当然読みが浅くなります。私たちは、読みが浅くなることを前提に、文書を作る必要があるのです。電子化文書の基本原則を考えるとき、すこし紙文書と電子化文書の読まれ方の形態について、押さえておく必要があります。

 

2 縦置きは眺めるもの

私たちは、外の世界を認識するときに、窓から外を見ます。窓は、家についた縦置きの枠組みです。そこから外の世界を眺めます。この形態が絵画になると、額縁をつけて、壁に飾られるようになります。

注意を喚起するシンプルな主張は、壁に貼られてポスターになり、動画を見るときには、スクリーンに映像が映しだされます。動画を見る形態は、映画館での大型スクリーンから、家庭用のテレビ画面が主流になりました。その延長線上にPC画面があります。

こうした形態に共通することは、何でしょうか。お気づきの方もいらっしゃると思います。すべてが縦置き画面であるということです。ここが紙と違います。紙文書は、横置きにして読まれます。紙での読み書きは、通常、平らに横置きされて行うものです。

電子化文書の読まれ方の形態は、根本的に紙文書と違っています。縦置き画面の使われ方を見ればわかるとおり、「読む」ことに間違いありませんが、かなりの程度、「眺める」要素が入っています。

 

3 情報の制御

知らず知らずのうちに、電子化文書をわれわれは眺めながら処理しています。読みは浅くなりますが、処理スピードは速くなります。この便利さを利用する必要があります。しかし、弱点も知っておく必要があります。

大切なメールの場合、印刷して読むことがあるはずです。きちんと読もうとするとき、紙が有利なのを私たちは知っています。文書をディスプレー上で読むことは、それだけで不利な面があります。正確に読むときの環境として、紙に劣るということになります。

こうした点を前提にして、私たちは電子化文書を作る必要があります。ぱっと見てわかることがポイントです。しかし、これは簡単に実行できません。したがって、意識せずに文書を作る限り、問題が発生しやすいということを知っておく必要があります。

業務マニュアルが電子化されたとたんに使われなくなった例に見られるように、紙文書をそのまま電子化文書に移行すると、多くの問題点が出てきています。業務マニュアルの場合、反復して使われますので、きちんと電子化の対策を立てる必要があります。

通常のビジネス文書の場合、なるべく短く簡潔に書くということが基本になります。問題は、記述量を減らすと、たいていの場合、情報量が減る点にあります。ビジネスに必要とされる情報は増大しています。必要な情報が欠落することは致命的です。

私たちは情報を制御する必要があります。どうしたらよいのか、明確な解決策はまだ示されていないようです。この点、反復して使われる文書から、何かヒントがないかと思います。(この項、続きます。⇒「電子化文書の作法2:タブレット端末をめぐって」

 

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