■項目の立て方・並べ方:文書の構成法

▼全文検索は使いにくい

たくさんの項目がある文書の場合、必要な項目をどうやって探したらよいのか、問題になります。文書を作成する側が、最初から使いやすい項目立てをしていればよいのですが、実際には、あまりうまくいっていません。

最近のシステムでは、全文検索ができます。それを使えば、何とかなると考えて導入した会社もあります。「全文検索なら何とかなると安直な考えで導入する会社があって」…などとお話したら、じつはウチも甘い期待をしましてと言われて参ったことがありました。

全文検索を使っても、なぜ必要項目が見つかりにくいのでしょうか。使ってみれば明らかなのです。検索のキーワードをよほど上手に複数選択しない限り、項目がつぎつぎ検索に引っかかってきます。その中から必要情報を見つけるのは、かなり難しいはずです。

大切なのは、項目名だけを検索すればすむようにしておくことです。項目名が大切です。項目名をきちんとつけるとしたら、文書全体の構造も従来のものが最適かどうか、考え直すことになるはずです。使いやすい形式をつくるために、もうひと工夫が必要でしょう。

文書作成をする場合、使う側からの発想で文書を組み立てなくてはいけません。(1) 項目立てのルールを作ること、(2) その項目名のルールを作ること、(3) それを並べる原則を作ること…が求められます。

 

▼ユニット化してニーズに合う項目名をつける

一定以上の大きさの文書を作る場合、文書を構成する一単位を決めましょう。これをユニット化と呼んでいます。紙文書の場合、一単位がA4一枚に収斂してきているように思います。文書の標準化というとき、領域の規格を一定にすることが一番の基本です。

一単位の中にひとまとまりの項目ができたら、それに名前をつけることになります。この項目名が大切です。何が書かれているのか、内容のわかりやすい項目名をつけることが求められます。そのための工夫が必要です。

使われ方を想定して、それに合致する名前をつける必要があります。たとえば困ったときに解決策を探す場合、目的型の項目名(「~したいとき」)になっていると便利です。手続きやタスク名を書くだけでは不十分なことがあります。

こうした発想で項目名をつけようとすると、やや長めの名前になりがちです。それでかまいません。そのとき、文書全体を貫くルールがあると、たんなる思いつきでない項目名になって、よりいっそう探しやすくなります。

項目名だけの検索でしたら、簡単に見つかるはずです。あとは、どうやってこれらを並べるかです。

 

▼階層を浅くする:「存在問題」を重視する

階層を深くすると、構造が複雑になって、必要なものが見つかりにくくなります。大切なことは、自分が探そうと思っているものが、間違いなくここに入っているとわかる明確な分類にすることです。

ここに入っているかどうか判断するときに、細かい分類は不利になります。この中にあると判断できる程度の大枠を示すことが必要になります。人間は、ここにあるという確信があるなら、探してくれます。

探すほうの立場に立つと、この大項目の中に、必要な項目が必ずあると確信できるかどうかがとても大切です。作成者の好みで、細かい分類にしてしまうと、一気に利用率が下がります。そこにあるという、いわゆる「存在問題」が重要です。

どこに入っているかわからなくて、小さな引き出しを何度も出したり引いたりするうちに、探すのをあきらめてしまいがちです。逆に、たくさんのモノが詰め込まれている大きな引き出しであっても、この中に目的のものがあると思えば、探してくれます。

項目名が一覧できて、さらにそれを検索で探せるなら、大きな引き出しの中にたくさんの項目が並んで入っていたとしても、なんら問題ありません。少数の大項目の下に、たくさんの項目が並ぶ形式を作っていくと、自然に、階層は浅くなります。

人間は、たくさんの並列項目の一覧から、必要項目を選び出すのは得意です。群衆の中から友人をすぐに探し出せるでしょう。ただし文書の場合、項目名が工夫されていることが必要です。項目数の多い文書を作るとき、以上が作成手法の共通原則になります。

 

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