■グローバル化と日本語のルール

1. グローバル化と日本語

先日(2014年4月22日)、BPIAの「目からウロコの新ビジネスモデル研究会」でお話をさせていただきました。おおぜいの方にご参加いただき、感謝しています。ありがとうございました。日本語のルール、文法のお話ですから、少数の方のご参加にとどまると思っていました。驚きました。

昨年あたりからでしょうか、文に関するルールを求める方々が目立つようになっていました。講義で文章のルールに触れると、文章のルールに関する独立した講座を作ってほしいという要望(アンケートへの記載)が複数寄せられるようになっていました。

私も私なりに、ニーズがあるのは感じていました。しかし、マニュアルを書いたり、ノウハウを記録する部門の責任者たちが中心だろうと思っていました。実際にはもっと広がりがあったようです。

まだ新しい傾向かもしれません。若手リーダーや専門職の方々が読むのにふさわしい日本語のルールの本は、まだないようです。講義の際に、よく売れている本をお持ちになって、私には使えないのですが、どうでしょうかと聞かれて困ったこともあります。新入社員用のヒント集では、たしかに使えません。

なぜ、仕事の出来る人たちが文章に取り組み始めたのか、しばらく観察していました。それでわかったことは、グローバル化の影響なのだなあということでした。国内だけを見て仕事をしていてはいけないということでしょう。

一部の会社で、社内の言語を英語にした例がありました。それが大きな流れになるとは思えません。その一方、日本語で書くときに、国内だけでなくて、海外でも使えるように、明確な日本語で書く必要がでてきているということだろうと思います。

 

2. 日本語のルール確立に必要な条件

100年以上前から、日本語は簡潔・的確という価値に向けて、ずいぶん変化してきました。戦後、日本経済は高度成長し、日本人は日本語に対する自然な自信を持てるようになりました。

かつて、日本語は論理的でないという考えがありました。これは前提が間違っています。論理的に読み書きするなら、日本語は論理的です。問題があるとするなら、論理を裏づける文章のルールが明示されていなかったということでしょう。

日本語で明確な日本語を読み書きするためには、どうしたらよいのでしょうか。英語と比較で考えて見ましょう。

(1) 英語は、主語と動詞の中核部分が確定できます。日本語は主述の関係が確定できるのでしょうか…?

(2) 英語は、文の必須要素として、主述に加えて目的語と補語があり、この組み合わせで5文型が作られています。日本語はこうした文型を作れるのでしょうか…?

以上のような基本を押さえないと、日本語のルールは確立しそうにありません。
日本語のバイエルでは、(1) について、主述(主体と述部)の判別公式を作りました。
さらに(2) に関して、主体と述部に加えて、焦点という必須要素を措定しました。焦点を元に3系統の文型を提示しました。

先日の研究会では、(1) (2) に関係したお話をさせていただきました。よくわかったという方がいる一方、いきなり文法のお話で難しくてわからないというご意見もいただきました。以下、(1) の主述の判別式についてお話します。

 

3. 主述の判別式

日本語は「ね」をつけると、音節に分かれます。簡単な方法で、分かち書きの基準がどこにあるのかわかります。同じように、主体と述部は簡単な方法で決定できます。
以下の質問をすればよいのです。

(1) 誰が「述部」(なの)ですか…?
(2) 何が「述部」(なの)ですか…?

(1)に該当があれば、それが主体です。該当がなければ、(2)の該当が主体になります。
こうして得られた主体と述部を検証します。これも簡単です。「主体+述部」が自然な日本語になっていれば、主体・述部の組み合わせは正しいのです。

例文で考えて見ましょう。
①この本はおもしろい。
②この本はおもしろかった。

学校で習った文法なら、主語は「この本」、述語は「おもしろい/おもしろかった」となるはずです。①と②の違いは、現在形と過去形の違いということでしょう。

日本語のバイエルではどうなるでしょうか。①から見てみましょう。
(1) 誰が「おもしろい」(なの)ですか…? 該当がありません。
(2) 何が「おもしろい」(なの)ですか…? 「この本」です。
「この本はおもしろい」となって、自然な文です。

次に②です。
(1) 誰が「おもしろかった」(なの)ですか…? 「私」でしょう。
「私はおもしろかった」となって、自然な文です。

①が客観的に聞こえるのは、本を評価している文だからでしょう。②が主観的に響くのは、自分の感想を示している文だからでしょう。

日本語のバイエルなら、こうした方法で、主体と述部が確定できます。

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