■3C分析への疑問

 

1 3C分析の有効性

ビジネス人の方なら3C分析という用語をお聞きになったことがあると思います。3つのCとは、Customer(市場・顧客)・Competitor(競合)・Company(自社)のことだということもご存知でしょう。この3つのフレームを使って分析していくのが3C分析です。

現在でもこのフレームを使う人がいらっしゃることは間違いないでしょう。しかし、成功しているマーケティングのプロとお話していて、3Cを使ってどうしたこうしたという話になったことがありません。あまり有効性のあるフレームワークだとは思えないのです。

たしか2010年頃だったと思います。SWOT分析とか3C分析などは、もはや有効なフレームとは言えないのではないか…と研究会で発言したことがありました。従来から思っていた当たり前のことを言ったまででしたが、当時は、まだ反発がありました。

 

2 再構成した3つのC

さすがに最近では、3Cは使いませんね…という声が多くなってきています。3つのCの分析に頼りすぎることの危険性を感じ取ってようです。流動化が激しいものを分析しても、たしかな手ごたえが感じられないのは当然でしょう。

21世紀に入ってから、ビジネスのさまざまな分野のスピードが早くなって、市場や顧客を分析するのは簡単でなくなりました。うまくいく分野があれば、競合はあとからどんどん参入してきますし、自社のことも、提携を含めて流動的で簡単に分析できません。

こうした背景があるためか、山梨広一著『シンプルな戦略』では、3つのCを再構成して使っています。「顧客にとって、うれしいことかどうか」「他の会社とは違うのか」「自社は儲かるのか」というものです。興味深い視点ではあります。

 

3 「顧客の創造」の視点が重要

山梨の3つの質問は通常の3Cに比べて、絞込みがなされているため流動性が低く、答えが出しやすくなっています。その上、「顧客にとって、うれしいことかどうか」というのは、なかなかよさそうな質問です。しかし、そのあとの質問はいかがでしょうか。

他社と違うのが当たり前でないものは、守りの製品やサービスです。他社との違いを検討しなくてはならないモノやサービスでは、たいした収益は期待できないでしょう。この質問はどうも弱い気がします。もちろん開発者が、こうした確認をするとは思いません。

どうやらドラッカーの言った「顧客の創造」というのが正しかったようです。すごい…と思う人たちは、顧客を作るという視点が明確です。市場を分析するというより、価値を創造するという意識が強いと思います。こちらのほうが苦労しがいのある道でしょう。

北イタリア型のビジネスモデル」の中核となる発想は、<顧客に感動を与えるような美しいものを作り出す>というものでした。他社との違いなど考えるまでもありません。分析するよりも、実質を作り出すことに重点をおく発想が重要だろうと思います。

 

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