■現場の改善案から生まれる変革:『日本企業にいま大切なこと』を参考に

 

1 現場の経験から生まれる発想

師匠の杉浦和史は、現場の重要性を繰り返し説きます。現場の経験を重要視しないで、理屈を作り上げても、役に立たないと言います。師匠には到底及びませんが、私でさえ、ささやかな経験が裏づけとなって、自分なりの考えになってくるのを感じています。

『日本企業にいま大切なこと』で遠藤功が、現場での経験もなしに仮説を練っても意味がない、と書いているのを読みました。これを受けて野中郁次郎は、はじめに経験ありき、だと言っています。

個別の具体的な現実を積み上げていく中から、新しい考えが生まれてくると言うことです。このことを野中は、<帰納法的な個別具体の積み上げの中から普遍を紡いでいくことによって、そこからより大きな関係性が見えてくる>と表現しています。

 

2 改善案を大切にする仕組みが必要

強い組織が、現場を大事にしているのは、よく言われることです。このことは、多くの方が指摘するところです。これを少し別の面から見ると、改善案がたくさんでてくる現場は強い、という言い方ができます。

そして、改善案が出てくる組織は、改善を大切にする組織だと言えます。改善を大切にする組織は、改善を大切にする仕組みを持った組織だということになります。この仕組みをどうしたらよいのか、考えておくことが大切です。

業務改革、業務変革をいうときに、改善案がでやすい仕組みがないと、説得力がなくなります。これに加えて遠藤が言う、<現場に落ちている小さなヒント(点)を大きなコンセプトに昇華させるセンスや能力>が、変革には必要です。

 

3 リーダーが実力を発揮できる環境が必要

多くの組織が、業務マニュアルを作るとき、業務改革を目的にしています。実際に業務が可視化されることによって見えてくるものがありますから、必ずと言っていいほど効果があります。そのとき、改善案を大切にする仕組みを作っておくことが重要です。

もう一つ重要なことは、大きなコンセプトを作り上げるにはどうしたらよいか…という点です。杉浦和史は、実務に携わる人たちからなるチームを作って、システムの仕様を現場の人たちが作る仕組みを採用しました。

自分達が使う業務システムを自分達で設計するのです。やる気になることでしょう。メンバーの基礎訓練をしたのち改善を募ったところ、短期間で1000もの提案があり、その後も提案が続いたとのこと。これを討議の上、杉浦がシステム仕様にまとめていきました。

改善案は出てくるのにうまくいかない、というお話がときにあります。どうしてもまとめ上げる人が必要です。大きなコンセプトを創造するには、優秀なリーダーが必要です。リーダーが実力を発揮できる環境を整えること、これが組織に必須の条件となります。

 

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