■思いつくままに2025年の振り返りと、2026年の展望を

    

1 生成AIをどう利用するか

今年も残り数日です。以下、思いつくままに。まずは話題の生成AI。間違いなく、今後大きな影響を与えるでしょう。1920年代に機械化が進んで、肉体労働者がいなくなっていったような、大きな変化を生むはずです。技術を上手に使えるかかが問題になるでしょう。

ここでいう上手な使い方というのは、生成AIのアプリをどう使うのが良いかとか、そんな話ではありません。今はその辺が問題にされますが、これは大したことではないでしょう。問題は、生成AIが、何をどこまでやれるかの見極めと対策が大切になるということです。

文章に関する生成AIの活用は、何らかの形で必要不可欠になるでしょう。その時、最終的な分析は当事者になります。上手に利用して、修正できなくてはなりません。当然、本人の読み書き能力、さらにはその領域の理解のレベルが問題になります。

今年は、まだ今後そうなるという見通しが見えてきたというにすぎません。来年以降、きちんと文章を修正できるかどうかが重視されるはずです。文章が書けるというのは、自分の文章を適切に修正できるということですから、当然のことだろうと思います。

     

2 読み書き能力

文章の読み書きは、そのまま各分野の実力に反映しています。教え子たちに、あれこれ教えていくうちに、あまりに個人差の大きいのに驚きました。私が話すことをメモして、それをこちらに送るようにと、何度か言ったことがあります。驚くべき個人差でした。

読み書き能力の差は、こちらの説明を理解する能力とほぼ同じです。マネジメントの話を聞いて、それを自社に応用できた人間と、その都度、解答まで聞かないと理解できない人間とでは、成果が違います。学習能力は、読み書き能力に比例するということです。

ただし、継続して学習することは、また別のことかもしれません。生成AIが導入されても、人間の学習する段階は、変わらないでしょう。必要に応じて、あるいは自分の興味に従って、自分から勉強していかないと、なかなか実力は尽きません。

その時問題になるのが、時間です。時間的な余裕がないと、自分で学ぶこともできなくなります。企業は、めいっぱい働かせると、かえって損することになるはずです。まだ長時間の残業を強いる組織が多くみられます。効率化、快適化が不可欠なはずです。

    

3 学習能力の育成

成長している組織は、ある程度計算できる、安定的なスキルのある人に依存しがちです。そのほうが、ある時点までうまくいきます。しかしリーダーになれる人が育ちません。生成AIでやるから、下働きは不要とは言い切れないのと同じです。

基本的なことを身につけるには、反復が必要になりますし、生成AIでもできることも、各人が自分でやってみることが必要になります。人を育てるのに不可欠な過程をおろそかにはできません。組織にとって人を育てて、継続して働いてもらうということが大切です。

2025年に目立ったのは、抜擢人事でした。何件か驚くべき事例を見て、変化を感じるとともに、人材育成競争がはじまると確信しています。ほぼまっさらな人に、担当をゆだねるしかないほど、人がいないという事例がありました。勉強するしかありません。

学習能力の問題と、育成のための環境整備が問われます。こうした意識があるかどうかが問題です。若者は、新しいことを始めるのに向いています。抜擢人事が、しばしば急速な若返りと結びついていました。育成する環境を整えるのは、組織の責任でしょう。

    

4 国際的な視点

日本人は、戦後すぐには、アメリカではどうか、欧州先進各国はどうかと、ずいぶん海外事情を気にしてきたはずです。それが薄れてきました。このあたり、バランスの問題です。日本の組織のリーダーのレベルが低くなってきた気がします。気になるところです。

ちょっとした成功で、気分を良くして、そこで終わってしまうケースを、何件か見てきました。若者の例が多かったのですが、内向きすぎて驚きます。社内の評価がどうしたとか、自分の報酬がどうなったかとか、それでほぼ尽きる人が何人かいました。危険です。

先進国で、日本のみが本の出版点数が低下しているという話もあります。上を目指すなら、本気で本を読まないといけない時期があるはずです。若者なら社会に出てからも、知識の獲得にどん欲な時期が必要になります。もっと世界のトップレベルを意識すべきです。

軽やかに世界を相手にする人がいる一方、内向きの人が多数派であるのは変わりません。組織のほうから、世界を意識させる啓蒙活動が必要になるかもしれないのです。日本語能力をつけること、国際的な視点を身につけることが、自分にとっても、来年の課題です。