■実力をもたらすもの:学生・卒業生の様子を観察して
1 平然と反復する能力
22日、今年最後の専門学校での講義でした。12年続けています。卒業生も訪ねてきてくれることもありますので、学校での様子だけでなく、その後の経緯も、少しは分かります。明らかに実力をつけてきた教え子たちを見ていると、ある種の法則があるようです。
基礎力をつける際に、一番大切なのは何でしょうか。たぶん、反復に堪えること、平然と反復できることです。わかってからも、もうできたからやらないというのではなくて、さっさともう一度やってしまうかどうか、これで実力は見えてしまいます。
この反復に堪える能力は、どこから来るのでしょうか。はじめのうちは、何となく習慣とか、あるいは性格なのかとも思っていたのです。しかし、違うような気になってきました。習慣であるといっても、間違ってはいないでしょう。でも、しっくりきませんでした。
2 原動力は読み書き能力
何かを習得するときに、反復することが大切だということから、それを習慣にしてしまうというのは、あることかもしれません。ところが、平然と反復するためには、ただの習慣では無理な気がしてきました。もっと原動力があるはずだという感じがあったのです。
ある時、その要因に気がついて、アッと思いました。読み書き能力です。さらっと反復するには、基礎的な理解が必要になります。苦労なく物事が理解できるなら、人が大変だ大変だということも、そこまで大変な感じになりません。さらっとやったほうが楽です。
そう負担なく、もう一度やったほうが頭に入るとか、実践しやすくなるということが、経験的にわかってきたならば、そのことが習慣化するのではないかと思いました。卒業生と留学生を見ていて、気がついたことです。そう思って、意識してきました。
3 現実が後追いをする
社会に出てから、圧倒する学生は、明らかに違うところがあります。最初から違うのです。配属されたところで、すぐに実力を発揮していきます。他の部門に移ってからも、人間関係等、問題がなかったら、同じように成長していくのが普通です。
最初の数年間、管理職になるまでは、限界を感じてもうダメだということにはなりません。仕事を覚えるのが早くて、負担感がないので、余裕をもっていろいろ観察できるのだろうと思います。今後にどこまで期待が持てるのか、わかる人には隠しようがないはずです。
こちらが話をするのをメモして、まとめるという作業は、そう簡単にはできません。軽々やれる人なら、読み書きはまず問題ないでしょう。そういう人は、業務マニュアルを理解するのも早いでしょう。マニュアルがない時に、作成するのも、その種の人たちです。
留学生を見てみると、日本語の能力によって、この差がはっきりと出てきます。できる学生は、平然と演習を反復しますし、成績は圧倒的です。いまさらながらの話かもしれません。学生の数年先が見えるような感覚になるくらい、現実がその後追いをするのです。
