■科学の成立と哲学:ビジネス人が学ぶべきこと
1 新プラトン主義の影響
ルネサンスの時期は、科学の発展が急速に進んだ時期だったようです。教科書でも知られる科学者が登場しています。たとえば、コペルニクス、ケプラー、ガリレイなどです。その後、デカルトやパスカルが登場しています。両者は、数学の面でも著名です。
ゲルマン民族の移動によりローマ帝国が崩壊し、ヨーロッパは、古代ギリシャ・ローマの文明とは断絶していました。ルネサンス期になって、プラトンから学ぶ新プラトン主義が広がり、コペルニクスも、ケプラーも新プラトン主義の影響を受けています。
近代科学の確立の象徴となるニュートンの『プリンキピア』が、1687年に出されました。この書はハーレー彗星で著名なハーレーの協力で出版されたものです。そして、ニュートンは、デカルトやパスカルの考えを引き継いでいるところがあると言われています。
2 飛躍的な科学の発展
ルネサンスの時期に、科学が確立していき、ここから近代が始まりました。科学の発展で、ヨーロッパ経済は飛躍的に拡大することになります。従来からの延長線上に発展があるというよりも、明らかなトレンドの変化が起こったのです。年代で見てみましょう。
1543年 コペルニクス『天体の回転について』(太陽中心説)、1609年 ケプラー『新天文学』(惑星の楕円軌道説)、1632年 ガリレイ『天文対話』、1637年 デカルト『方法序説』、1657年 パスカル『幾何学的精神について』…と続いています。
宗教改革が16世紀の前半から始まり、イギリス東インド会社が1600年にできていますから、1687年のニュートン『プリンキピア』までの時期は、今から見ると近代化に向かっていく激動の時期だったということになりそうです。どうも勢いが違います。
3 基本に返ることが必要
ルネサンスが最も華やかに展開されたのは、14~15世紀のイタリアでした。それが16世紀前半に、フランスやイギリスなどの西ヨーロッパ諸国に引き継がれていきます。ルネサンスが近代を生んだことは間違いないようです。発展の契機は何だったのが気になります。
ギリシャ・ローマの古典から学んだということは間違いありません。科学的な探求がルネサンスから始まったことも、知られる通りです。直接的な知識を習得したことが科学を確立させたのではありません。考え方の転換がなされたということになりそうです。
考えの転換をもたらしたのは、プラトンなどの書物が中心でした。お手本となる考え方を学んだということです。直接的な解答が与えられたのではなくて、お手本になる思考を身につけようとしたということになります。故きを温ねて新しきを知るということでした。
現在、生成AIなどの急速な発展がみられます。これがもっと大きな広がりになることは、間違いなさそうです。トレンドを確認しておくことも必要かもしれませんが、今こそ、新しい考えを古典に求める時期だろうと思います。基本に返る必要がありそうです。
