■文章チェックの役割:生成AIの登場による変化

      

1 リーダーの実力があぶりだされる

文章チェック講座を実施してきました。生成AIの進歩もあって、状況が変わってきています。従来ならば、スタッフの文章をチェックすれば足りましたが、今後は生成AIの作った文章までチェックしなくてはなりません。リーダーの役割が大きくなっています。

生成AIがすべての領域で使えるレベルにあるわけではありません。利用できるものを上手に使いましょうということです。たとえば、要約機能があります。これは使える場合があります。かなりのレベルになってきたといってよいでしょう。

こうした生成AIの記述進歩に伴って、リーダーの実力があぶりだされることになります。生成AIの作った要約と比べて、リーダーは、もっと優れた要約が作れるのでしょうか。生成AIの要約のほうがよくできているというのでは、修正することはできません。

      

2 生成AIとの実力比較

まだ正確な数字ではありませんが、ひとまず叩き台として「1:2:7」という数字があります。生成AIの要約よりも明らかに良い要約を作る人が1割、同等レベルの要約を作る人が2割。生成AIの要約よりも落ちるのではないかという人が7割ということです。

生成AIよりも落ちるという人の割合が5割を超えるのではないかというお話を聞いた時、そうなのだろうかとも思いましたが、そのくらい技術進歩が進んでいます。このときリーダーに求められるのは、上位1割の実力です。いままでよりも大変かもしれません。

今まで比較される対象が明確でなかったところに、生成AIというものが登場しました。これによって、今まで以上に人間の能力が問われるようになるということです。リーダーは自らのトレーニングが必要になります。そうでなくては、文章チェックはできません。

     

3 不可欠な基礎体力の養成

先進国の中で、日本は本の出版点数が落ちている唯一の国だともいわれています。残念ながら、全体として本を読まなくなっているという指摘は否定できないようです。しかしリーダーがそれでは困ります。知識の習得は必要不可欠な基礎です。

普段から紙の本を読んでいないと、読解能力が向上しません。その点でも日本は心配な点があります。少し前に報道された紙書籍の割合は、日本57% アメリカ75% ドイツ94%というものでした。紙の本をきっちり読んでいる人がどうも少ないようです。

今までよりも、こうした基礎体力にあたる部分が問題になってきます。リーダーが読み書きが相当程度のレベルになかったら、部下の文章をチェックしたところで、信頼されません。リーダーの実力養成が、一番の問題といえます。実力者なら問題ないのです。

文章チェックの機会が得られるリーダーは、いい環境にあると言ってもよいでしょう。人の文章をチェックする場合、どうすれば正確に読み取れるかを意識することになります。それ自体が、実力をつけてくれるはずです。講義では、そのヒントのお話をしました。