■わかりやすさと難易度:検証と仕組みづくりが必要
1 わかりやすさの判定
講義をしてみると、もっとわかりやすく説明できたのにと思うことがあります。実際に話してみないと、何でわからないのでしょうか。困ったことです。講義で声に出して、テキストの話をしていくと、自分でも、これはわかりにくいなあと感じる点がでてきます。
オンライン講義のように、受講される方の反応が見えなくても、問題点が浮き彫りになるのが普通です。もう一度、このあたりを詰めないといけないと感じています。講義のレベルを上げたい場合、よほど意識してわかりやすい説明にしないと、伝わりません。
その点、やはり受講者の顔つきなどの反応がある方が圧倒的に、わかりますから、こういう機会があるのは貴重です。もし伝わっていないと感じたら、すぐに何がわからないかが聞けますので、伝わる伝わらない以外に、なぜ伝わらないかもわかってきます。
2 完璧な方法はなさそう
伝わりやすい文章、わかりやすい文章を書くのは、読み手がいないと、なかなかわからないようです。実際に、自分の書いたものが相手から、わからないと言われて困っている人たちが多数います。文章の場合、相手の顔つきなどは、わからないのが普通です。
オンラインで講義をしたときのように、自分で書いたものをもう一度読んでみた場合、これは伝わりにくいかもという、漠然とした感じは持てるかもしれません。しかし、どう直したらよいのか、なかなか気がつきにくいでしょう。完璧な方法はなさそうです。
やはり自分の文章がわからないと言われた場合、相手に聞けるのなら、聞いてみた方がよいのでしょう。わからないと言われただけで、相手に聞いていない人が多くいます。たしかに、相手もきちんと答えられないことがありますから、十分とは言えないことです。
3 伝わらない原因の検証と仕組み作り
もう一度、検証してみる必要があると思いました。畑村洋太郎が『失敗学のすすめ』で指摘したことが、思い返されてきます。伝わらないことがあったら、原因を追究して、その検証に基づいて、失敗しない仕組みを考えることが必要だということです。
先週行ったビジネス文の書き方の講義について、いま改定をしているところです。一番の反省点は、文章における失敗しない仕組みを、もう少し意識して考える必要があるということでした。原則的なルールで対処できるというだけでは不十分だということです。
各論の説明が必要な場合、どこまでの各論が必要なのか、なかなか簡単ではない気もします。しかし世の中には、総論・各論で構成された学問がありますから、それらが参考になるだろうと思いました。ことに刑法の構成が参考になるだろうと思っています。
今回、2グレード程度レベルを上げましたから、難易度は間違いなく上がりました。それでも模擬講義をすると、いくつかのパートで、わかりやすいという発言があったのです。工夫すればレベルをあげながら、わかりやすく伝えることは可能だろうと思います。
