■電子化を前提にしたマニュアル作成:マニュアルの電子化・動画活用講座を終えて

     

1 講座の受講目的の変化

マニュアルの電子化・動画活用講座を行ってきました。昨年と講義内容が違っています。事前のアンケートをさせていただきましたので、その内容に基づいての変化です。アンケート結果が大きく違ってきました。アフター・コロナということかもしれません。

マニュアルに関する講座の場合、今年からすべて事前のアンケートをさせていただいています。今回の講座に限らず、一昨年昨年とは受講される方の様子が違うのです。それが少しの違いではなくて、大きく違ってきていますから事前の調査が必要になります。

今回の事前アンケートで、動画について聞きたいという方はお一人のみでした。講座名にあるように、動画は活用する価値があります。しかし動画でマニュアルを作ることは、あまり効率的なことではありません。この点、ほとんどの方がお分かりの様子でした。

      

2 標準的な作成方法の確認

今回、マニュアルの標準的な作成法について、従来よりもポイントを置いた講義になったのも、アンケート結果の反映といえます。マニュアル作成の指導を受けたことがなかった方が、自分のやり方でよいのかどうか、その確認をしたいということもあったでしょう。

あるいは、自分の作成するマニュアルに対して、もっといいモノが作れるはずだという気持ちもあったのかもしれません。いずれにしても、本気でマニュアル化が必要な時期が来ているように思います。もう一度、原点から考えることは大切なことでしょう。

この時、作成とともに定着ということが問題になります。業務マニュアルで言えば、業務の仕組みをきちんと守って仕事をしているか、ミスなく手順通りの操作をしているか、ということです。定着するために、どうしたらよいかまで考えておく必要があります。

      

3 電子化を標準に作成

今回、電子化という切り口での講義でしたから、電子化されたマニュアルを使ってもらうためにどうすべきか、が大切なポイントでした。電子化すると、紙のように手に取って書き込んでということが出来ません。何となく電子化されたものは頼りなく感じます。

作成者側が、使いやすいように一歩踏み込んで作成しなくてはならないのです。紙のマニュアルを作ることよりも工夫が必要ですから、難易度は高くなります。しかし作成者は今後、電子化を前提にしなくてはなりません。電子での作成が標準になるのです。

紙のマニュアルを電子化した場合、使いやすいマニュアルには、まずなりません。しかし電子化を想定して作ったものならば、紙に印刷しても使いやすいマニュアルになっているはずです。電子化したときの工夫が、紙に印刷した場合でも活きてきます。

ユーザー側の個人的な加工によって、マニュアルの欠点を補うのではなく、それなしに使いやすいマニュアルが作れるようになることが目標です。簡単ではありませんが、工夫することは不可欠といえます。苦労はしても、報われる可能性の高い努力になるはずです。