■プロジェクトマネジメントの必要性:倉重英樹の指摘

 

1 本音を知るために推薦文を読む

業務マニュアルの作成をはじめとした文書化の分野では、Webで情報を集めようとしても、本当に必要な情報は、なかなか見つかりません。重要情報は、あいかわらず人と本から入手することになります。本の場合、どうしてもマニアックな情報集めになります。

こんなこと書いた本などない…と思われるところから見つけることになります。少し慣れれば、こんなこと当たり前すぎるのですが、知らないと気がつかないかもしれません。例えば、推薦文の類は、新装版でなくなっていたり、付加されることがしばしばあります。

気楽に書かれた文章に、本音が語られることがありますから、それを採取する意識が必要です。よい本なら、最初の版、次の版と確認作業が必要です。著者と別の人が、はじがきや推薦文を書いていたら、内容をチェックして、必要なら手元に保管しておくべきです。

 

2 プロジェクトマネジメントの本

プロジェクトマネジメントの本をいくつか読みながら、「プロジェクト」をカットして、マネジメントの本として読めるかどうか、そんな基準でこの分野の本を判定していました。『プロジェクトマネジメント 成功するための仕事術』はなかなかよい本でした。

この本では、自分達のプロジェクトの経験を踏まえて、マネジメントを語っている部分が多く見られます。第2章などマネジメントの基本を語りながら、プロジェクトの事例が語られる感じもします。ややアメリカ流に近いかなあ…という印象を受けます。

しかし、ここでは別の面に焦点を当てようと思います。この本が2003年に出され、その「はじめに」で倉重英樹が語っていることが重要です。1980年代の日本企業は、優位に立っていました。それが崩れたあと、大きな変化が決定的になってきた時期の文章です。

 

3 倉重英樹の重要な指摘

1990年代になって、<改善による価値創造だけで競争優位性を確保することが難しくなり、企業は「改革」(Re-engineering)に取り組んだ>が、<日本企業は「やり方を変える」ことの限界を感じている>…と倉重は語っています。

やり方でなくて、「やることを変える」必要が出てきているのです。2000年と2001年に大きな変化がありました。創業30年以上の会社が10年以下の会社より、倒産することが多くなったのが2001年です。以来、この傾向は変わりません。

<既存の組織では解決できない問題を解決し、新たな価値を創造すること>が大切であると言います。そして、変革を推進するにはプロジェクト思考が大切である…と、既存の見方の反対側から、プロジェクトマネジメントの必要性を語っています。重要な指摘です。