■ある大学での講義から:勉強法の型
1 分野ごとに勉強法が違う
ときどき思い出したように、大学で講義をしてきます。各種試験を受ける学生向けに講義がアレンジされています。そこに顔を出してきました。どうも勉強の仕方がわからないようなので、先日、雑談風に、以下のようなお話をしてきました。
勉強するときに、ある種の意識を持って勉強した方がよいのです。勉強の仕方について、どんな方法を選択するか意識をもつということです。文章の読解をするときと、知識を習得するときでは勉強の仕方が違ってきますから。
文章を読解するときに、ある程度の方法はありますが、確実にこうなるといった数学のような公式は存在しません。定量化して処理する方法はありません。これは、暗黙知と形式知の違いのようなものです。ああ、暗黙知と言われてもわかりませんか…。
自転車に乗るのと同じです。実際に読解問題をやってみて、自分の感覚でこれだというものがわかると、出来るようになります。この分野はダラダラでも何でも、続けることが大切だと思います。継続は力なりという気がします。短期集中ではタカが知れています。
2 読解の場合と知識問題の場合
読解の場合、毎週に1問、きっちり読み込むことからはじめた方がよいでしょう。大切なことは、継続することです。シナプスがつながるのに1ヶ月かかるとも言われます。しかし、そこでやめては、せっかくの成果が自分のモノになりません。もったいないです。
だいたい2ヶ月目から収穫が始まり、3ヶ月目が一番おいしい時期ではないかと思います。モデル通りに行くわけではありませんが、何となくこんなイメージです。このモデルとどう違うのか、ある種の自分なりの見込みをもって勉強してもよいかもしれません。
ところが知識問題の場合、知っているか知らないか…が大きな要因です。大切なのは、本当に知っているのか、わかっているのかです。ひとつの問題が解けても、別の角度から聞かれたらわからない…というのでは、わかったということにはなりません。
知識を一方向からだけ入れたのでは弱いといえます。同じことを別角度から聞いている問題をいくつかやるのがよいと思います。それによって知識の確認ができます。同じ分野の問題集を2~3冊買って、分野ごとに一定数の問題をやれば、ひとまず何とかなります。
3 勉強法の正しさを検証する方法
知識問題で大切なのは、正解を得るために何が必要なのか…を意識することです。「何がポイントとなるのか」が重要なのです。重要ポイントがわかることが大切です。それを見つけることです。全ての事項を覚えようとしても意味がありません。
解答と解説があるはずですから、それを見て、その中から、ここだけわかっていれば正解が出せるという部分を意識的に抽出することです。そうすることによって、際限なく広がるように見える必要な知識量が、そんなに多くないことにも気がつきます。
集中して身につけなくてはならない分野がある一方、継続して少しずつやってこそ意味がある種類のものもあります。二つの型があって、その特徴を意識しながら、実践したらよいと思います。いま、どう勉強するかを意識することが大切です。
勉強の方法が正しいかどうかの検証は、成果をみるしかないと思います。まず成果を上げるには何をしたらよいのかを考えて、自分の選択した方法を意識することです。そしたら、選んだ方法を続けてみて、成果があがっているかをチェックすることでしょうね…。