■日本の若返り傾向:人材育成の必要性
1 若い人をリーダーにという傾向
来期の研修の企画が山場を超えました。新規講座の内容を詰めれば、ひとまず終わりになります。最近の講座参加者の変化をどうとらえるべきか、このあたりが問題です。まだよくわかっていないことですが、若いリーダーが増えてきたことは確かでしょう。
会社といっても、それぞれ違いますから、個々の問題に焦点を当てると、全体の様子が見えてきません。全体として、おおざっぱな把握ですが、人手不足、人材不足の傾向が見えてきます。若い人に、リーダーになってもらいたいという意識があるようです。
若い人なら、ある程度の時間があれば、リーダーとしてやっていける可能性があります。時間がそれなりにかかりますから、早くから動き出しているのかもしれません。それで若い人のリーダー向け講座の受講が増えている気がします。コロナが転機でした。
2 労働力の流動化
日本企業の若返りが、少しずつ進んでいるとするなら、これは悪いことではありません。若いからといって、全員が可能性をものにするはずはないのですが、それでもチャンスがあれば、かなりの人が力を発揮することになるでしょう。組織にとってよいことです。
知り合いの会社では、スタッフの数が3割以上減ったということでした。リーダーといえる人が、かなりやめてしまったそうです。その中でも、リーダーを養成できるレベルのリーダーがいなくなったのが痛いということでした。これも仕方ない面があります。
技術進歩が急速化していますから、どうしても会社での業務とやりたい業務との乖離が出てきます。すべての分野に進出するわけにいきませんから、思惑の違いは起こるでしょう。まだ一部の業種だけかもしれませんが、労働力の流動化が進んできたことは確かです。
3 問われる人材育成の方法
人材育成は社内で行うのが、従来なら当たり前のことでした。しかし今後、そんなことも言っていられない気がします。労働力の流動化の反映として、人材育成の強化がしにくくなっているからです。実力養成の機会を会社側も考えないといけません。
今後、各人に能力をつけてもらって、それを企業が評価する方向に進むことでしょう。すでにそうなっている組織もあるでしょうが、いま混乱期にある組織は、決して少なくありません。知人の会社も、かつてのような人材育成の仕組みが維持できなくなっています。
研修機関でリーダー向けの講義をしていると、コロナが日本の転機になった気がしてくるのです。ベテランの受講の多かった講座に、初心者のような方が一気にやってきて、講座内容を大幅に変更したことが何度かありました。いまも、その傾向が続きます。
かつてあった職人の修行のように、10年単位の長期の修行はごく一部の分野でしか成り立たなくなっています。変化の激しい時代には、長期の修行のリスクもありますから、修行の短縮化も不可欠な要請でしょう。育成方法の開発が必要になってきていると感じます。
